ニッケイ新聞 2009年12月15日付け
消費市場の中国製品席巻に続き金融市場にも中国資本の影響が押し寄せている。過去1年のサンパウロ市証券市場(ボベスパ)における金融取引の67%が、上海証券取引所の銘柄の動きに連動していたことが12日、明らかになったと13日付けエスタード紙が報じた。
これでボベスパとニューヨーク証券取引所との連動を、上海市場とのそれが上回り、さらに力強い増加傾向を見せている。ボベスパが中国資本の動向に、より深く関係するようになってきた傾向を示している。
ボベスパの株価指数は2003年、対ドルで103%上昇。一方、上海は同時期81%であった。2009年は、ボベスパが118%上昇に対し、上海は59%。上海取引所で取引をしていた中国人投資家は、ボベスパへ一斉に目向けた。
両取引所の支えになる貿易は、先月までの年間通商総額(輸出入合計)で333億ドルとなり、対米貿易の328億ドルを超えた。ブラジルが中国に売る主要商品は、鉄鉱石や大豆のようなコモディティ関連だ。その関連企業がボベスパの60%を占める。ブラジル経済は中国に益々、依存することになる。
だからといって米国離れをしたわけではない。ボベスパは、体質的にも歴史的にも外資に依存している。しかし、中国はブラジル始め世界経済のガイドとなっている。
短期的に見て中国は金融危機後、国際経済をけん引し希望の星となった。統計で見ると2007年から、中国が台頭した。しかも中国資本は資本自由化の波に乗って、米国やブラジルなど世界中へ投資している。