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レジストロ=涼風太鼓を連邦が支援=文化省の「Pontos de Cultura」=州内3百団体に選ばれる=3年で18万レアル

ニッケイ新聞 2009年12月15日付け

 文化活動を行う民間団体の支援を目的に連邦文化省とサンパウロ州文化局が実施する事業「ポントス・デ・クルツーラ(Pontos de Cultura)」で、レジストロ文協の和太鼓部「リベイラ涼風太鼓」が州内300プロジェクトの一つに選ばれた。同事業は選ばれた各プロジェクトに対し、3年間に18万レアル(1年ごとに6万レ)の資金を援助するもの。ブラジルの日系文化として成長する和太鼓が選ばれ、地元関係者を喜ばせている。
 同事業は州内でテアトロ、音楽、踊り等で活動している民間団体の支援を目的として実施されている。サンパウロ全州から1200の団体が応募し、300のプロジェクトが選ばれた。レジストロ文協からは今月10日、滝内功会長がサンパウロの文化局に赴き契約書にサインした。
 レジストロの和太鼓は02年10月、JICAが派遣した小田幸久シニアボランティアの指導により60人の子供たちで始まった。現在は7歳から24歳までの約50人の部員が毎日練習に励んでいる。
 ブラジル日本移民百周年を祝った昨年は、市内の学校、近隣の市役所や日系団体から演奏を頼まれ1年間で42回もの演奏を披露。中でも6月21日にサンボードロモで行われたサンパウロ市百周年祭典では、1200人の打ち手に混じってレジストロの子供40人が皇太子殿下の正面で記念曲「絆」を演奏した。
 今回のプロジェクト作成の中心となった清水ルーベンス前レジストロ文協会長は、「私達のプロジェクトが選ばれた事に驚くと同時に感謝しています」を喜び、「子供達がどれだけ太鼓が好きか、情操教育として役立っているか、レジストロの文協の為、町の為に役立っているか知っています」と話す。さらに、「このプロジェクトを作れたのは私一人の力ではありません」として、同地で和太鼓が始まって以来7年間、文協の和太鼓部長として尽力してきた金子国栄、慶子夫妻に感謝を表した。
 「私達の年齢では、子供達に太鼓を打つ技術を教えるのは不可能です。資金面、演奏の交渉、ハッピ作り、講習会の世話などしかできません」と話す金子国栄さん。清水さんと、設立当初から和太鼓を続け、今も技術指導に当る島田オズワルドさん(24)に感謝を表し、昨年の百周年祭典での千人太鼓を「子供達にとって生涯忘れる事の出来ない良い思い出となったことと思います」と振り返る。
 レジストロの子供達は、16歳頃になると勉学や仕事との関係で町を離れてしまうという。金子さんは「せっかく上達した子供達がいなくなることはチームにとって大きな痛手」としながらも、「短い期間であっても太鼓を通じ精神的に成長してくれたと信じています。そして思春期という、人生の最も大事な時期に、太鼓に熱中したことは彼らのこれからの人生に役立つと思います」と話し、「これから、もっと、もっと心を引き締めて、州政府から頂いた資金を活用して和太鼓の普及に努めたいと思います」と語った。
 なお、リベイラ沿岸地域ではレジストロ以外に、カジャチ、エウドラード、バーラ・ド・ツルボ、パリケーラス、ミラカツ、カナネイア、イグアッペでもそれぞれのプロジェクトが選ばれた。