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東部水害地域で病人続出=サンパウロ市での発病報告2倍に=それでも対策予算を削減

ニッケイ新聞 2009年12月17日付け

 7~8日の豪雨後も水がひかず、日常生活にも支障を来たしていたサンパウロ市東部ジャルジン・ロマーノ地区などで、洪水後に蔓延する病気が広がり始める最中、市議会では、洪水対策費予算削減を盛り込んだ2010年度予算案を承認した。
 15日付伯字紙によると、サンパウロ市東部の水害地区では、下痢、嘔吐、発熱や体の痛み、その他の症状を訴える人々が続発。救急外来(AMA)には長蛇の列が出来ている。
 例えば、ジャルジン・ロマーノのAMAに来た婦人の場合、12歳の息子は発熱と不快感、世話をしていた9カ月の赤ん坊は下痢を訴え、ねずみの糞などが原因のレプトスピラ症を疑って来診。
 周りには同様の症状を訴える大人や子供が溢れているのに、15日のAMAには小児科医は1人だけ。多くの患者が2~4時間待たされた。
 この状態は道路冠水などが続く地区全体に共通しており、感染後5~7日で発症するレプトスピラ症患者は今週あたりから、A型肝炎患者は2~4週間後に来始めると、アルベルト・アインシュタイン病院の医師が指摘している通りだ。
 15日付エスタード紙には、サンパウロ市とその周辺では、上下水道の不備や洪水に伴う感染症患者増加の具体的な報道もある。例えば、08年サンパウロ市でのA型肝炎は8地区で集団発生、30人の罹患確認に対し、09年は3日までに15地区で集団発生し59人の罹患確認。その他の感染症も含めた集団発生は263件だ。
 統一健康システム(SUS)統計では、夏の小児科患者の63%は水が原因の感染症患者というから、治水問題はなおざりに出来ない問題だ。
 東部水害地区を14日に訪問したサンパウロ市長は、同地区の住民移住を10年からに繰上げというが、移動先の住宅完成には2年。今年前半の舗装工事の際、所により50センチも地面を削ったとあっては、住環境も整わない場所に勝手に住み着いたとの批判も的外れだ。
 また、それ以上に納得できないのは防災関連予算削減。16日伯字紙によれば、広報費増額の一方、土砂崩れ他の危険区域対策やごみ収集費は各5%、保健、交通、住宅各局の予算も、2・2~26%削減される。

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