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2010年予測=ブラジルは激戦場になる=世界の大企業が目をつける

ニッケイ新聞 2009年12月17日付け

 全国工業連盟(CNI)が15日、2010年のGDP(国内総生産)を5・5%成長と予想し、2009年は「忘却の年」と位置付けたことを16日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
 ブラジル地理統計院(IBGE)は、10月の消費が前月比1・4%増と発表。サンパウロ市民の60・5%が過去6カ月に、スーツ一着を新調とサンパウロ州商業連盟(ACSP)が発表。ブラジルの祭り気分は、始まっている。
 産業界の強気は年末景気のためではないと、デロイト・トウマツ事務所が調査結果を発表。景気回復後、調査した全国573社のうち95%が、2010年度事業の拡張計画を持っているという。90%は増資を計画中。41%が全余裕資金を事業拡張へ当てる意向だとしている。
 この事業基盤の強化は、来る外国企業勢の来襲に備えるためと見られる。企業の80%が、世界から注目を浴びるブラジルの国内市場は来る3年、外国勢との激戦地となり熾烈な白兵戦が展開されると見ている。
 2010年のGDP成長予想は、今年の設備投資が過去14年で最高となったことなどが影響しているようだ。同事務所が調査した企業は、GDPの17・3%を生産している。32%が南東部で活動し、10%が株式を公開している。
 鉄鋼関連や化学、金属、車両、自動車部品を除いて、69%の企業は2009年、苦闘しながら政府の支援により前年比で多少の利益を上げた。車両は輸出で後退したが、国内で挽回。
 特に原油やガスなどエネルギー関連は2010年、岩塩層下油田の開発で大きな前進が期待される。建設業界は、エネルギーに次ぐ躍進が見込まれる。殊にW杯と五輪で盛り上がる機運に便乗して来る3年、経済のシナリオ、営業環境の整備が急務となっている。
 外国人が安心して投資できるように環境を整備しておくことが必要だ。外資は今後、長期投資とブラジル産業のグローバル化に賭ける。特に融資を容易に組める仕組みが必要になると、同事務所が見ている。
 企業はこれから、経営管理の水準が最大関心事になると67%の経営者が見ている。先の金融危機で経営管理が試され、玉石をより分けた。次に重要なのが、国際競争の情況管理。それから新製品と新技術サービスの消化も、大切な課題になると経営者が見ている。