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BNDES=「今は投資の時代だ」=消費向上、W杯、五輪特需が来る

ニッケイ新聞 2009年11月27日付け

 社会開発銀行(BNDES)のルシアノ・コウチニョ総裁は24日、「恐慌は終わった。これからは投資の時代だ」と産業界に向けて檄を飛ばしたと25日付けエスタード紙が報じた。
 檄は工業に限らず、全ての生産部門のてこ入れだと同総裁はいう。年末から来年にかけて消費の盛り上がりが見えるのに、同総裁の目には工業部門の士気が低下していると見えたようだ。
 産業界には、息ぶきの要因が揃っている。GDP(国内総生産)に占めるクレジットの割合は45%を超え、年間17%成長の勢い。これは消費水準が、益々向上していることを意味していると同総裁が述べた。
 ミング経済研究所は、ブラジルが金融危機の後遺症から癒え、米国のような再来を心配する段階を終えたという。それに、岩塩層下油田は企業経営者にいつまで惰眠を貪る気かと叱咤しているとして、次のように現況を分析。
 中国や東南アジア諸国は、金融危機などどこ吹く風とばかりに活動を開始。工業用原料や食糧を大量に必要とするようになる。ブラジルはその上、W杯サッカーや五輪特需が控えている。
 しかし、政府はゴミを絨毯の下に隠した。経常収支のコントロールが杜撰になっている。公共投資が殆どゼロなのに、公務員の給料が12%も増えた。過去7年で、62%も昇給をした。
 財政収支は破裂寸前にあり、危険予報のアラームが壊れている。それに外資流入対策では、為替異変の副作用を癒すために妙なことをしている。
 国際経済は第3四半期、希望的観測では回復と見ている。しかし、先進国の失業率は相変わらず異常だから予想とは反対に、いつ病気が悪化するかは分からない。
 先進国の中央銀行が、金融危機克服のために共同増刷したドルは、10兆ドルに上る。当然この増刷のためにインフレとバブルが形成され、再崩壊が起きると忠告。
 先進国の中銀は、増刷した通貨を回収しないで外へはき出している。その一部が、ブラジルへ流れ込んでいる。政策金利も低く抑えて、引き上げる意向はない。いまは投資の時だが、バブル再崩壊のリスクに注意する必要があると警告した。