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暴力沙汰は日常茶飯事?=55%の青少年が死体目撃=危険な都市は北と北東伯に

ニッケイ新聞 2009年11月26日付け

 ブラジルで最も危険な町はリオ―こんな思い込みを打ち消す様なデータが、24日に発表された。
 06年の人口10万人以上の266市でのデータを解析したSeade財団調査や、今年6、7月のダッタフォーリャ調査によると、青少年が暴力事件に巻き込まれる可能性が高い都市は、バイア州イタブーナ、パラー州マラバー、パラナ州フォス・ド・イグアスーと続き、64位のリオ市は州都別でも8位と、24日付サイトや25日付伯字紙が報じたもの。
 危険な都市10位までは、バイア州3市、ペルナンブコとエスピリトサント州各2市、パラー、ミナス、パラナ州各1市。州都の上位は、アラゴアス州マセイオー、ロライマ州ポルト・ヴェーリョ、ペルナンブコ州レシフェと続き、10位まででは、北東部と北部各4市、南東部、中西部各1市となっている。
 これとは逆に、危険度の低い都市の上位は、サンパウロ州のサンカルロスやサンカエタノ・ド・スル、フランカ。10位までではサンパウロ州4市、ミナス州3市、南大河、サンタカタリーナ、リオ州が各1市となっている。州都ではサンパウロ市が1位で、10位までは、南部と連邦直轄区を含む中西部3市、南東部2市、北東部と北部各1市となっている。
 一方、31市で行ったダッタフォーリャ調査では、12~29歳の青少年の55%が1年以内に死体を見た事があり、殺人を見た44・5%、暴力被害経験30%、武器を持っている人を見た64%、警官が暴行しているのを見た58%などと報告された。
 死体を見た事のある青少年では、友人や親戚、恋人が殺された8%、死体を見たのは4回以上62・7%など、青少年の周りで、殺人や暴行、窃盗などがかなり頻繁に起きている事を窺わせる。
 これらの報告は発表に立ち会った法務大臣をも驚かせたが、殺人事件などが頻繁に起きながら、国家公共治安計画資金を受けていない都市がある事も判明。家庭や地域、テレビなどで暴行や殺人シーンを目にした人は、感情抑制がきかなくなった時、殺人などに及び易いなどの問題点も指摘された。地域での文化活動など、青少年を暴力から遠ざける工夫も必要だ。