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上半身裸で構内を行進?=ブラジリア大学で抗議行動=ウニバン女子学生事件受け

ニッケイ新聞 2009年11月13日付け

 ブラジリア大学(UnB)で11日、上半身裸で「この体は私のもの」と大書した学生が大学構内を練り歩き、学長室にも乗り込んだ。
 同日のG1サイトや12日付伯字紙によれば、当初の参加表明者は80人強だったが、当日の参加者は150人超という行進は、同大学生から、サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポのウニバンことバンデイランテス大学への抗議行動だ。
 150人中10人は全裸で参加という一団は、学生会などの呼びかけで集まったもの。構内のレストラン、中央科学研究所、学長室まで続く行進は、表現の自由と男性主義の圧力からの開放を訴えるためのものという。
 抗議行動の発端は、10月22日に起きたウニバン女子学生迫害事件。ピンクのミニワンピースで登校したジェイジ・アルーダさんが、悪口雑言や暴行を受け、警察の保護下で帰宅したもので、ウニバンでは7日、同女子学生に対し退学(除籍)処分を決めた。
 これに対し、教育省からの説明要請や一般社会や同校の一部学生からも抗議を受けたウニバンは、9日に処分取り消しを通達。安全保障をとの要求にも、校舎移転その他の方策と共に、最大限の対応を約束している。
 一方、同事件の余波として出てきた反応はまちまちで、時や場所に応じた服装をとの声と共に、当該学生の弁明も十分でないまま一方的に処分した事や、教育的配慮の無さなどの指摘は多い。
 また、UnB学生の様に、服装も含む表現の自由を訴える声や、退学処分は男性主義社会故に起きたもの、中東世界でもあるまいにといった声も上がっている。
 彼女を慰めるための曲がYouTubeに掲載された他、雑誌担当者、美容院などが声をかけ、一躍有名にもなったジェイジさん。
 ウニバンへの抗議と共に、自分達の大学の治安強化なども求めたUnB学生の行動をどう受け止めたかは不明だが、今回の事件が、教育の場かつ学び舎としての大学、自由や性差など、多くの問題を投げかけたのも事実だ。教育省は退学処分取り消しで一件落着としたが、警察や消費者保護センター(Procon)などは捜査を継続中だ。

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