サンパウロ市の犯罪増加傾向続く=南部などでバイク強盗急増=西部の広場では10日に6件
ニッケイ新聞 2009年11月11日付け
9日もピニェイロスで根こそぎ強盗発生など、犯罪増加傾向が続くサンパウロ市だが、6日付エスタード紙が、サンパウロ市南部や西部で一人歩きの女性を狙うバイク強盗急増と警告する記事を掲載した。
犯罪増加そのものについては、7~9月の誘拐は州内136・5%、サンパウロ市175%の増加、強盗殺人は州内14・5%、サンパウロ市23%増加など、10月31日付フォーリャ紙が具体的に報道。
同紙によれば、強盗事件は州で19%、サンパウロ市で10・5%の増加だというが、現実には無届けで泣き寝入りの例もあり、実数はもっと多い。
6日付エスタード紙のバイク強盗については総数の比較報告は無いが、10月に南部ジャバクアラで持たれた地区防災委員会の集会では、最近の事例25件が報告されるなど、ここ数カ月、同種の事件は急増中だ。
実際に被害に遭い易いのは一人歩きの女性で、家を出る時や、散歩や仕事帰りなどで歩いている時、車から降りての施錠時などに多発している。
2人乗りで近づいた強盗の1人が、銃などで被害者を制圧し、かばんや財布を強奪。ポケットなども調べ、携帯電話やiPodなどの小型私財も持ち去るという。
身元が判明しにくい様にヘルメットを被って犯行を繰り返し、本人と姉妹4人に義姉まで被害者という人までいる。
また、西部のヴィラ・ベアトリスでも同種の犯罪が頻発しており、ヴィセンチーナ・デ・カウヴァーリョ広場には10月末、「バイク強盗に注意」と書かれた横断幕も張り出された。広場前のアパート門番によれば、同広場で被害に遭った女性は、10日で6人に達するほど頻繁だ。
警察では、これらの情報をもとに検問などを強化しているが、自転車やスケート利用のパウリスタ付近の犯罪より機動力があり、武装しての犯行に、2人乗りのバイクと見たら、慌てて家に駆け込むなど、地域住民には不安が広がっている。
付近では、ピザ配達人が襲われ、ピザとバイクを奪われたといった事件も起きており、一人歩きはなるべく避ける、持ち物は少なくし分散する、家や車への出入り時には特別に注意を払うなどの自衛策も必要だ。