ニッケイ新聞 2009年11月5日付け
9月に愛知県人会館で開催された日伯音楽文化協会(音協、上岡正雄会長)主催の第57回全伯歌謡唱歌コンクールで優勝した大橋小百合さん(21、三世)がブラジル代表として、文化庁後援の「Jaccom(日本大衆音楽文化協会)ミュージックフェスティバル2009第15回カラオケ日本一決定戦」に出場する。同協会の蛯原忠男会長代行、羽田宗義・石井久順両顧問が報告のために来社した。
同コンクールには171人が参加、「帰らんちゃよか」を歌った大橋さんはアダルトAを制し、全カテゴリーで争われた決勝戦でも優勝し、見事グランプリに輝いた。当日審査委員長を務めた羽田顧問は、「難しい歌を、よくあそこまで歌いあげた。12人の審査員が文句なしに推薦した」と称えた。
演歌好きの祖母が身近にいたこともあり、3歳から歌い始めた。「帰らんちゃよか」は2008年に開催された「NHKラテンのど自慢大会」で初めて挑戦、デカセギで滞日中だった大橋さんは出場し、見事に優勝した。
12歳から大橋さんを指導している蛯原さんは「小百合はパワーがありすぎて、コントロールするのが大変だった」と笑いながら語り、熊本の方言が多く使われ難易度の高い歌だが「彼女に向いているかな」と思い選曲、日本にいる大橋さんには電話で歌唱指導したという。大橋さんは「アパートで大声が出せないため、布団に潜って練習しました」と、当時のことを振り返った。
喜びを噛み締めながら、「また日本で歌えるのが嬉しい。精一杯がんばりたい」と意気込みを語った。
大橋さんは蛯原さんと共に、11月18日に日本へ向けて出発、23日の本番に臨む。