ニッケイ新聞 2009年11月4日付け
フィナードスの2日までを海岸で過した人も多いが、パラー州マラパニンの海岸では、死んだ魚が10キロにわたり、延々と連なるという異常な光景が広がった。何らかの汚染物質流入が原因と考えられ、3日から捜査を開始。リオ州の川に8千リットルの化学薬品が流れ込んで大量の魚が死んだ事件からは1年余り。ダム建設、生活廃水や化学薬品の垂れ流しなど、自然破壊を起こさずに共存する事は難しい。
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日本のお盆に当たるフィナードスの2日は、親族や友人、知人の墓を訪れる人も多い。サンパウロ市の墓地や火葬所22カ所を訪れた人は2日だけで140万人と3日付け伯字紙が報じた。近くの道や構内に花売りが溢れ、花園の様になった墓地もある。グアルーリョス市プリマヴェーラ墓地では、子供向けの工作コーナーが用意され、配られた風車で、近親者の人達への絵やメッセージを墓の前の地面に差し止める光景も。午後はハープの生演奏で、天国の前味を味わった人もいた様だ。
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2日夜、大サンパウロ市圏サントアンドレーで、カーブを曲がり損ねたマイクロバスが舗道に乗り上げ、4人をはね、15歳の青年が即死、3人が負傷という事故が起きた。リンチを恐れた運転手は現場から逃走し、怒った住民はマイクロバス2台に投石や放火。近くのバスターミナルやエスタード大通りにも繰り出し、車への投石、施設破壊などのケブラケブラは3日未明まで続いた。ビスケットを買いに出た息子を失った父親は、「俺の人生は終わった」と嘆く事しきり。連休中の交通事故は減ったが死者は増え、飲酒運転や路肩を走る無謀運転も増えたと聞くにつけ、自らと共に他者の命を危険にさらす「知恵のない」行動の増加を痛感する。