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高校で教科書の大量放棄=校長らは生徒が捨てたと=本も買えなかったと回収者

ニッケイ新聞 2009年10月29日付け

 サンパウロ州リベイロン・プレットの州立高校前の路上で26日、粗大ごみ回収用のカサンバに捨てられた教科書1500冊余りが見つかり、校長と教頭を更迭と27、28日付伯字紙が報じた。
 ダンボールなどに覆われた状態だったという今年度用の教科書の一部は未開封。地域住民の通報を受けた警察が到着後、直ちに回収されて校内に運び込まれたが、州教育局では残った教科書は地域の教育局に返却するよう指導しているという。
 教育局と州検察局が捜査中だが、学校職員は、教科書は確かに学校にあった物だが、どうして捨てられたかは不明と供述しているという。
 一方、27日に更迭された校長や教頭は、教科書は生徒が捨てたと供述。州教育局は、捜査の結果を待って責任の所在を明らかにするとしている。責任者には、公的資産破損で3カ月から3年の実刑が科せられる。
 一方、警察到着前に、カサンバの中のダンボールなどを回収し始めていたゴミ回収人は、「自分達には、本を買う金さえなかった」と、怒りを通り越した呆れ顔。地域住民達も公金の無駄遣いに渋面を隠さなかった。
 当局によれば、州内5500の高校に配布する教科書は年1億4400万冊。その経費は1億1300万レアル。各校には多めに配布する上、退学者も多く、余るのは普通だという。
 小学校に配布した副読本に性的描写や野卑な言葉がみつかるなど、汚点続きのサンパウロ州教育局。総ての学校に図書館設置という方針も未達成だ。
 9月1日付エスタード紙によれば、645の自治体中、公立図書館が無い所が43もあるサンパウロ州。先のゴミ回収者の言葉ではないが、学びたいとの意欲はあるのに書籍を手に出来ない人も多い。
 5万2千人の地域住民向けの図書館が無く、軍警らの協力で蔵書7千冊の図書館が出来たサンパウロ市サントアマーロ(24日付フォーリャ紙)、ゴミ回収者達が集めたパラナ州クリチバの蔵書2500冊の小さな図書館(19日付G1サイト)などの報道の後に起きた、教育現場での無配慮な事件。公的資産軽視やより容易な方法での処理といった考えの表れでないことも望みたいものだ。

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