リオで暴力への抗議行動=激化する麻薬組織の抗争=中流階級には別ルートも
ニッケイ新聞 2009年10月27日付け
24日朝、リオ市コパカバーナに現れた、白い仮面に赤いインクで血の跡をつけたりした死人を装う人を乗せた買い物用手押し車20台―25日付伯字紙によれば「リオの平和」運動参加者による暴力反対の抗議行動。17日未明からの麻薬密売者同士や警察との抗争(20日付本紙で一部既報)の中でも衝撃的な場面を再現したものだ。
17日以降、伯字紙やサイトが連日報道、緊迫した空気が続く同市では23日までに42人が死亡。コパカバーナでの光景は、暴行後に撃たれて死に、抗争現場マカコスの丘への入り口の一つに置き去りにされた麻薬密売者を真似ている。
密売者同士や警察との抗争は北部のマカコスの丘から、南部や西部にも拡大。いつ抗争に巻き込まれるかとの恐怖は市民の頭を離れない。
23日には住民4人が流れ弾に当たり1人が死亡。25日にも11カ月の赤子を抱いた婦人が流れ弾で死亡し、子供も重傷という事件発生。警察に追われた密売者が授業中の学校に逃げ込んだとか、地域の教会の塔から巡視との報道もあった。
これらの事件の背景には、複数の密売者組織の存在、クラックなどの流入、中流階級には独自の麻薬入手ルートが出来、密売者の生存競争激化などの影響があるようだ。
60年代発生のコマンド・ヴェルメイリョ(CV)や、続いて出来た第3コマンド、アミーゴス・ドス・アミーゴスといった密売組織の中心はコカインや大麻。ここにクラックやエクスタシーも加わったが、中流階級はこれらの麻薬を独自のルートで入手。
密売組織の取引はファヴェーラに集中せざるを得なくなり、激化したのが他の組織の領域侵入による抗争だ。従来は日陰の存在だったマカコスの丘へのCVの侵入もこの様な流れの中で起きた。
リオ市長は「14年や16年の問題は警官で町を満たせば済む。今の心配は抗争真っ只中にある市民達」というが、07年以降2万人に上る暴力行為による死者を表す20台の手押し車。現知事政権下の武器や麻薬の押収、犯罪者逮捕は、前政権同期間中より減少との報道などは、防犯や捜査、摘発を担う警察の戦いは厳しい事も物語る。