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ジョルジ産業開発相=IOFは自殺行為=為替変動制に危機到来か

ニッケイ新聞 2009年10月23日付け

 ミゲル・ジョルジ産業開発相は21日、マンテガ財務相の声明に反論し、外資へのIOF(金融税)2%課税は税収増に役立つだけで、輸出には何ら益しないと語ったことを22日付けエスタード紙が報じた。
 現在のレアル高攻勢は6カ月位続き、IOF課税による税収増は、年内に40億レアルが見込まれる。しかし、ブラジルにとって同税導入は自殺行為だと同相はいう。これまで国内産業を盛り立てた資金の殆どが、国外へ流出するからだ。
 「ブラジルの工業は、農業に見習って長期投資を呼び込み、技術革新と生産性向上、競争力を培わねばならない。それが工業の生き残る道。農業の技術水準は、工業のそれより遥かに秀でている」と同相は見ている。
 経済評論家のミング氏は、外資流入の抑制でIOFを払わない闇ドルの違法流通が横行するとして、次のように述べた。「レアル高騰の抑制効果はなく、株取引はニューヨークへ逃げて行く。財務相は、もっと現実主義者であれ」という。
 マンテガ財務相がいうようにドル安を止めたければ、為替変動制を止めることだ。輸出業者は長年にわたって、為替政策の見直しを求めていた。セーラサンパウロ州知事も、為替では見直し派だ。
 為替固定制も、ごうごうたる非難を浴びる。中国が行なっている半変動制にするには、輸出を中心とした通貨政策や為替政策の見直しを行い、生産部門に悪い結果をもたらさないように注意する必要がある。
 国民の生活安定のため一定水準のGDP(国内総生産)を保ち、ある程度のインフレは看過しなければならない。インフレは、物価と勤労者所得、年金という料理の辛味といえそうだ。
 為替半変動制とは、炊事場が台所から応接間へ引越すことだ。これまでのブラジル経済を引き上げてきた経済政策を、抜本改革することが必要で、インフレ政策も変わる。中央銀行は、頭の切り替えをしなければならないことになる。