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文協農業委員会=初の交流会に80人=ポンペイアで情報交換=木多体制初の新企画

ニッケイ新聞 2009年10月23日付け

 木多体制初の新プロジェクト―。ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)の農業関連交流委員会(文協RURAL、中山喜代治委員長)は16、17日の両日、「西村農工学校」(ポンペイア市)で『第1回農業関連交流会』を開催した。サンパウロ州内はもとより、トメアスーやブラジリアから約80人が参加、意見交換を行った。西村俊治博物館の視察、JACTOの農機具デモンストレーションもあった。同委員会の活動は、日系団体の連携強化への起爆剤として、関係者から期待が寄せられている。

 全伯日系団体の代表機関を標榜する文協は100周年後の方向性の一つとして、「農村の窓口としての役割」「日本移民が農業で積み上げてきた成果に先端技術を」をテーマに農業分野の活動支援を目的として昨年、同委員会を設立した。
 初のイベントとなる第1回農業関連交流会は、西村俊治技術財団の後援を受け、ポンペイアで開催された。
 16日午後に行われた開会式で、中山委員長は「このようなイベントをサンパウロ州外でも開催、普及させたい。日系コミュニティで協力し連結を強めていければ」とあいさつ。
 山下譲二文協副会長は、「同活動は100周年以降の景気付けにもなる、活発にしていこう」と呼びかけた。
 続いて、JACTOの創業者、西村俊治さん(98)に記念プレートが贈られた。
 交流会は四つのテーマに沿って、両日で15人の講師により講演された。講演は、全てポ語で行われた。
 第1部のテーマは「環境保護」。サンパウロ州環境局の研究職員を務めた山添源二さんが川幅によって規定される保護林が違う森林法について説明した。
 トメアスー総合農業協同組合の坂口フランシスコ理事長は、高低の植物を組み合わせ栽培する森林農業の例を紹介。環境保護団体「EXCELSA」の発表もあった。
 第2部は、「アグリビジネス」をテーマに、USP農学部の城田リカルド教授が面積、四季、生産コストの低さからブラジルの国際的競争力の高さを強調、宮坂四郎農学博士は「大豆の摂取が肥満の防止になるのでは」と話した。
 西村俊治さんの息子で、現在JACTOホールディングカンパニーの会長を務める西村ジョルジさんは、ファミリービジネスの形態を自社の例をとって紹介、参加者の興味を引いた。
 翌17日は、第3部「今後の挑戦」で始まった。軍警のアレッサンドレ・カルドーゾ大佐が、「農村警備体勢に新たに力を入れている」とファゼンダの安全について言及。
 第4部「農業従事者の育成」では、カルロス・オトボニ農学博士が高等教育レベルの新たな農業コースを紹介したほか、JACTO生産部門部アラン・レイテ部長が農機具の構造を示した。
 イビウーナ農業委員会から参加したアントニオ・カルドーゾ・ネットさんは、「内容が濃く、予想以上におもしろかった」と感想を話し、同委員会メンバーの吉岡黎明氏は、「皆が貴重な経験を持ち寄り、良い情報交換の場になったのでは」と評価した。