ニッケイ新聞 2009年10月17日付け
【共同】経営再建中の日本航空が、従来は廃止対象にしていた国際線21路線のうち「復活」を検討している5路線が、成田空港―ブラジル・サンパウロ線などであることが16日分かった。サンパウロ線は2016年の夏季五輪開催都市にリオデジャネイロが決まったことで、大きな旅客需要が見込めると判断した。
ほかに中部国際空港、関西空港とバンコクをそれぞれ結ぶ路線、成田―台湾・高雄、関西―インドネシア・デンパサールの路線が存続の候補となっている。5路線はいずれも経済成長が見込める新興国・地域と結ぶ路線で、営業努力で収益改善が可能とみているようだ。
日航は企業再生の専門家チーム「JAL再生タスクフォース」の助言を受けて新しい再建計画案を策定。その中で、路線再編案も一部見直した。国際線の廃止は16路線程度となる。ただ、国内29路線の廃止は変えない方向で詰めている。
成田―サンパウロ線は米ニューヨークを経由する日航の最長路線で現在は1週間に3往復している。ブラジルは夏季五輪に加え、14年にサッカーのワールドカップ(W杯)が開催されることも「商機となる」(日航幹部)。経済成長に伴うビジネス需要の拡大も見込めるという。