ニッケイ新聞 2009年10月15日付け
ジウベルト・カサビサンパウロ市長は13日、不動産時価相場の評価額見直しを行い、固定資産税(IPTU)の調整検討に入ったことを明らかにしたと14日付けフォーリャ紙が報じた。市財務課の試算によれば、最高357%もある。2010年の選挙後に市議会へ上程し、2011年実施の見込み。前回のIPTU調整は2001年、マルタ元市長が就任早々に行なった。その時はインフレ調整のみで、地下鉄沿線やショッピング・センター周辺の不動産値上がり調整はなかった。
過去8年における不動産市場の固定資産値上がり調査を市が始めた。最高は、ブラス区ラルゴ・ダ・コンコルジアの区画整理によるバロン・デ・ラダーリオ街の357%増となっている。
また、サンパウロ市中心部の商業地区も、生き馬の目を抜く激戦区となったことで値上がりが激しい。都市計画で美化されたイジェノポリス区やパカエンブー区、バーラ・フンダ区、リモン区、サンターナ区の見直し調査も行なわれた。
再々洪水に見舞われるマルジナル・チエテーのヴィラ・マリア区やタツアペー区でも、307%の値上がりとなった。その他の浸水地域やスラム街地域、過疎地域は、値下がりしている。
不動産の値上がりが特に顕著なのは、地下鉄沿線区域や予定区域、ショッピング・センター周辺と市は見ている。
カサビサンパウロ市長は2005年にもIPTU調整を試みたが、撤回した。サンパウロ市のIPTU税収は、年31億レアル。調整を行なうと、30%増が見込まれ10億レアルの税収増となる。
不動産評価は、第三者の利用度と立地によって決まるもの。最近は環境規制によって、新開地近くの一等地でも有毒物質に汚染された場所は建築許可が出ないため、駐車場になっている。
市の不動産評価額は、面積×地域の評価指数(相場の約70%)。IPTUは、評価額×税率で算出される。
仮に現在200平方米の不動産を有し、市の平米評価が1308・23レアルなら、評価額は26万1646レアル。税率1・2%で、IPTUは3139レアル75センターボであった。
それが新たな調整で、同面積の不動産に対する平米評価が2047レアルならば、評価額が40万9400レアル。税率1・4%で、IPTUは5731レアル60センターボになる。