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イラン大統領が訪伯=ブラジルが国際問題の渦中へ

ニッケイ新聞 2009年10月15日付け

 イランのアハマディネジャド大統領が11月末、訪伯と発表したことを14日付けオ・テンポ・オンラインが報じた。休暇を利用しての訪問だが、同大統領が足を踏むところは抗議運動が絶えないし、抗議する理由にも事欠かないと同大統領が述べた。
 ブラジルでも、ポップ・コーンが跳ねるように華々しい出迎えが待っているだろうという。同大統領を迎えることで、ブラジルは国際問題の渦中に入り、火中の栗を拾うことになりそうだ。
 同大統領は独裁者。男尊女卑をモットーとし、同性愛者を抑圧、イランに政治犯の拘束者はいないと宣言。ホロコーストを否定、イスラエル国家の撲滅を提唱する。
 同大統領の再選は、イラン国内で多くの物議をかもした。死者を出すような危険な選挙違反の抗議運動の中へ、同大統領は飛び込んで捨て身の戦法で騒ぎを鎮めた。
 同大統領を選挙で選ばれた正統の大統領として、イスラム革命評議会より先に世界で初めて認証したのは、ブラジルのルーラ大統領であった。
 米コロンビア大学を訪れたとき「イランには、米国のように同性愛者はいない。同性同士が愛を契るような場面を見ることもない」といって聴衆の爆笑をかった。
 ゲイはイランを脱出するか、見つかったら殴り殺されるという。イランNGOの発会者は、トルコへ逃亡し、イラン政府による同性愛者虐待を訴えた。女性も同様。人権団体にレズの保護を訴えたが、投獄された。
 最も問題なのはニューヨーク・タイムスが報じたように、原爆製造の技術を求めていること。ミサイルは度々の実験で、中近東一帯とEUの一部をも射程圏に入るものを完成し、名実ともに国威の裏付けを手にした。
 アハマディネジャド大統領は、文明の衝突といわれるイスラム教社会とキリスト教社会の接触で、一方の代表を演じている。その代表を迎えるブラジルは、この訪問をどのように認識すべきか。