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グアテマラが危ない=ホンジュラスが中米に飛び火

ニッケイ新聞 2009年10月6日付け

 ホンジュラスの政変が前例となって、グアテマラでも同様の動きがあることを、ブラジルとOAS(米州機構)、米政府が懸念と5日付けエスタード紙が報じた。
 事態は急迫に至ってはいないが、2011年の大統領選挙を視野に入れて、アウヴァロ・コロン大統領を追放することでホンジュラスの轍を踏みつつある。米当局者は2日、政変への動きがあることを本国へ報告。
 コロン政権が貧困撲滅政策を採ったことで、中間層との摩擦を生じた。同政権は、低所得層を中心に45%の支持を得ている。政治構造は、革新派小政党の連立で議会多数派を保持、ホンジュラスと似ている。
 アモリン外相は再々、ホンジュラスがラテン・アメリカに不本意な前例を作ると警告。グアテマラは5月、コロン一派の陰謀を録画したローゼンバーグ弁護士殺害で不穏な動きが起きた。
 コロン大統領は陰謀を否定したが、国連が実態調査に乗り出した。グアテマラでは98%の犯罪が迷宮入りするため、事実上の犯罪天国とされる。駐グアテマラのゴーメス伯大使は、グアテマラではいつ政変が起きても不思議ではないという。
 一方、ホンジュラスは政情不安で経済が疲弊している。貧富の二極化が進行中だ。失業と所得低下、物価の高騰で低所得層労働者の恨みは、臨時政権に集中し、社会情勢は険悪化した。
 中高所得層の消費も減退した。輸出も激減。経済活動は半マヒ状態にある。これは、セラヤ追放の代価といえそうだ。セラヤを解放すれば、チャベスの軍門に下ることになる。臨時政権は、それが耐えられないようだ。