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ホンジュラス=最高裁、伯議員団に溜飲下げる=臨時政府は態度軟化=現地ブラジル人社会は政変支持=双方譲歩で距離縮少へ

ニッケイ新聞 2009年10月3日付け

 ホンジュラスを訪問中のブラジル下院の議員団6人が1日にホンジュラス議会を訪ね、ブラジルが紛争仲介の労をとると表明したことで、臨時政府が態度を軟化と2日付けエスタード紙が報じた。政変合法化や在ホンジュラスブラジル人社会の臨時政権支持、非常事態宣言の公布などで議員団は、事情説明を受けた。また議員団は同国最高裁から、ブラジルがセラヤ大統領の寄留を許して格好の抵抗拠点を提供し、同国の紛争に介在したことで厳しい批判を受けた。しかし、同国最高裁は1日、最後通告の撤回を表明した。

 在ホンジュラス伯大使館の治外法権を、同国最高裁は順守と通告。6日が期限の最後通告の撤回を同最高裁が5日、要請すると約束した。
 ブラジル政府の亡命容認は伝統的なもので、ルーラ大統領やアモリン外相がセラヤ大統領を唆し、伯大使館へ誘ったものではないと伯議員団が否定した。セラヤ大統領の館内における政治活動は、同大統領自身が画策したものと説明。
 ラウル・ジュングマン下議(PSB=社会党)を団長とする伯議員団は、同国治安部隊によって伯大使館への入館を遮られた。同最高裁の計らいでようやく、下見訪問が特別に許された。
 ホンジュラス議会で一行は、政変に至った経過を臨時政権側の見方で録画したビデオを見せられた。政変の合法性を訴える宣伝的意味合いの内容であった。セラヤ追放も、コーロル弾劾と同様ケースというのだ。
 在ホンジュラスブラジル人社会との懇談会では、伯外務省に対する厳重抗議に議員団は驚いた。伯政府の対処は伯ホンジュラス外交関係を損ない、在留ブラジル人の立場を一顧だに考慮しないと非難された。在留ブラジル人社会が非常事態宣言を全面支持し、その熱意は殉教者の群れのようだと評している。
 ミチェレッティ臨時大統領は1日、伯大使館への踏み込みを断念、追加措置のないことを発表し態度を軟化させた。追加措置は、ロッペス外相の独自判断だという。
 臨時政権は国際機関を刺激しないことに極力努める方針を明らかにした。セラヤ氏が政治活動を行なわないことを伯政府が保障するなら、伯大使館の無期限滞在を看過するとしている。