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南米初の五輪開催決まる=歓喜に沸くコパカバーナ=総会アピールでも譲らず

ニッケイ新聞 2009年10月3日付け

 2016年オリンピック開催地はリオに決定―2日13時50分にIOC(国際オリンピック委員会)総会場で発表された途端、デンマークのコペンハーゲンと、コパカバーナなどで歓喜の嵐が沸き上がった。
 同日4時からの総会では、シカゴ、東京、リオ、マドリードの順でプレゼンテーション後、12時21分に投票開始。
 まずシカゴ、ついで東京が枠外に去った後、12時30分に行われた最終投票結果は、1時半からの式典で発表された。
 総会でのプレゼンテーションは非常に良くまとまっており、ルーラ大統領の挨拶の後、国際サッカー連盟(FIFA)前会長のジョアン・アベランジェ氏、伯オリンピック委員長のカルロス・アルツール・ヌッツマン氏らが、市、州、国が一体となっての招致であることなどをアピール。
 米国のタイム誌までがオバマ氏以上だったと賞賛したルーラ大統領のプレゼンテーションでは、国民総ての願いであると共に、南米諸国の代表としても立候補したこと、危機からの脱却の早さに見られる近年のブラジルの経済力伸長などを訴えた。
 総会会場で放映されたビデオで、コパカバーナの海岸に五輪マークが描き出されて行く場面などには会場からの拍手も沸き、好感触を得ていた後の発表の瞬間、ブラジル訪問団をどよめきが駆け抜け、抱き合い、涙を流しながら勝利を喜んだ。
 一方、最大の強敵と見られていたシカゴが枠外に去った時点で歓喜の波に包まれたコパカバーナ特設会場には、発表時までに数万人の会衆が集まり、ジウマ・ロウセフ官房長官らも参加した大フェスタが始まった。
 コペンハーゲンやリオでの歓喜の声は世界中に流れたが、開催招致に1億3800万レアル、開催までの諸経費も144億4千万ドルという大きな買い物をしたブラジル。今後は、宿泊施設の不足、治安対策、交通網整備といった課題克服の責任も負ったことになる。
 07年の汎米大会で利用した19会場に、11の競技会場を新設、一時的な競技場も4カ所設営予定のリオでは、州や国の支援も求めつつ、マラカナンでの開会式まで、2400日余りの準備の時を過ごすことになる。