ニッケイ新聞 2009年10月2日付け
2016年夏のオリンピック開催地が決まる今日2日は、南米初の開催を目指すリオ市民始め、全国民の目が、IOC(国際オリンピック委員会)総会会場のデンマーク、コペンハーゲンに注がれている。
9月29日からは伯字紙も連日で『リオ16』に関する記事を掲載しているように、16年のオリンピック招致は、3度目の挑戦でもあるリオ市の悲願。もちろん、新興国の雄を自負するブラジルにとっても、国内経済の活性化や国際的な発言力を高めるための好機で、官民上げての取り組みを繰り広げてきた。
その一例が、9月29~30日にリオ開催となった国際サッカー連盟(FIFA)の会議。欧州で予定されていた会議を、14年のW杯(ワールド・カップ)競技場視察も兼ねリオ市でと招いたのはルーラ大統領だ。
大統領自らがIOCの投票権も持つFIFAのプラッター会長らをリオに呼んだことで、東京、シカゴ、マドリードの3市が出し抜かれたと思ったのも当然。カブラル・リオ州知事は28日に、プラッター氏らIOC2委員が2日の総会でリオに投票すると語ったことを明らかにしている。
また、9月2日に発表されたIOCにおけるリオ市の評価は、4都市中最低だった08年6月から大躍進。2014年のW杯からわずか2年での国際大会開催による経済的負担の大きさは、W杯準備も兼ねた設備や施設の拡充、雇用創設などの計画書提出で、4都市中最高に跳ね上がった。
最後まで懸念されるのは治安面だろうが、30日にコペンハーゲン入りしたルーラ大統領は、スポーツ相のオルランド・シウヴァ氏のみならず、大型の治安対策を打ち出したジェンロ法相やメイレーレス中銀総裁らを同行。先に現地入りしていたペレーや水泳のセーザル・シエロ、作家のパウロ・コエーリョらも、各々の得意分野でロビー活動を展開し、備えた。
一方、総会直前のリオ市は、9月の高評価で勢いを得、コルコバードでの特別祈願のミサ、総会生中継用の大型スクリーン付の特設ステージ設置などで盛り上がり。
泣いても笑っても、今日2日のIOC総会で全てが決まる。