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日本語祭りに500人集まる=スピーチコンテスト盛大に=特別に原爆写真展も=「例年より盛り上がった」

ニッケイ新聞 2009年10月2日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は9月27日、同センターで「第7回日本語祭り」を開催した。日本語学校の子供や父兄など500人以上が訪れ、親子や教師らが一緒になって一日を楽しんだ。カレーや寿司、ドラ焼き、ケーキなどの食べ物を販売。同祭では作品コンクール表彰式やスピーチコンテストを開催、バザーや古本市も開かれた。煎茶の御点前も披露され、浴衣姿の子供たちが多く見られた。
 午前中は「09年全伯日本語学校生徒作品コンクール」の書道、絵画、硬筆、作文、まんが、書初の6部門の表彰式が行われ、181人の生徒が表彰された。
 午後は「第30回サンパウロ日本語スピーチコンテスト」が開催されA、B、Cカテゴリー、15歳の部に分かれ、32人が独自のスピーチを披露。コロニア・ピニャール日本語モデル校からは6人も出場した。
 今年は会場を沸かせるユーモラスなスピーチも多かったと好評。15歳の部で2位に輝いた滝浪仁アレックスさんは、「日本文化を学ぼう」という題でスピーチ、早口言葉やラップを披露するなど会場を沸かせた。
 今年再出場の矢倉定一さんは「愛情を求めて」というタイトルで、自身の体験から愛情表現や自身を愛することの大切さを訴えた。
 「Respeitoって何」との題でスピーチした非日系のフロエス・タイス・マラクリダさん。Cカテゴリーで1位に選ばれ、「私が1位になんてびっくり」と喜んでいた。
 「私の夢」という題でAカテゴリー1位・理事長賞を獲得した安楽美幸さんと「音楽と温故知新」という題で発表し、Bカテゴリー1位に輝いた小田崎アレサンドラさんの2人が、国際交流基金主催全伯スピーチコンテストの代表に決った。
 今年はつかえずにスラスラとスピーチできた人が多かったよう。参加者が増えている同スピーチコンテスト、再出場する生徒も多く、審査員からは度胸がついたと称賛の声が聞こえた。
 審査にあたったJICAシニアボランティアの塚越浩美さんは、「自身の経験をもとに話す子が多く、成長の過程が良く表われたスピーチだった」と感心する。
 当日は、JICAボランティアらによる広島・長崎の原爆の写真展示も行われた。展示室の壁には「Nunca Mais!!(もう二度と起こらないように)」という文字が大きく掲げられ、広島県から提供された写真約30枚が展示された。
 ビデオ「ピカドン」も流され、大きな音と共に原爆が投下される映像が写されると、賑やかだった子供たちもその映像を前に呆然と立ち尽くしていたという。
 多くの来場者が平和の願いを込めて折り鶴を折っていった。その鶴は、JICAボランティアにより広島県の平和記念公園に届けられる。
 塚越さんは幼い子供たちが折る姿を見て「心を動かされるものがあったようです」と振り返る。
 斉藤良美同祭実行委員長は「今年は天気に恵まれ、例年に比べて盛り上がった」と喜び、親子で参加する様子を見て「親たちの関心も高まっているようだ」とのべた。
     ◎
 作品コンクールのJICA杯、理事長杯の受賞者は以下の通り。JICA杯▼書道の部=砂本悟、絵画=内山恵、硬筆=伊藤秋男、作文=鐙野かおり、理事長杯▼書道=伊藤理加、絵画=飯田千恵、硬筆=西山真由美、作文=安楽香織
 スピーチコンテストの結果は以下の通り。Aカテゴリー▼1位=安楽美幸、2位=川本歩、Bカテゴリー▼1位=小田崎アレサンドラ、Cカテゴリー▼1位=フロエス・タイス・マラクリダ、2位=グスタボ・スカンフェルラ、3位=井手小百合エリーザ、4位=遠田幸子エリーザ、5位=アンドレ・ルイス・インファンテ・フェレイラ、15歳の部▼1位=小坪佐百合ライス、2位=滝浪仁アレックス、3位=林達也マテウス