ニッケイ新聞 2009年10月1日付け
霧雨降るサンパウロの曇天を恨めしく見上げ過ぎて肩が凝っていたこともあり、乾季の赤道直下、アマパー州を欣喜雀躍して訪れた。
摂氏38度。商店もシャッターを下ろす州都マカパーの午後は閑散としていた。
「ここはいいところですよ」と半世紀以上、同地に住む日本人ら。その後に忘れず「暑さを除けばね」と付け足した。
「この灼熱を体感せねば」。記者魂を発揮させ、冷房の効いたホテルの部屋を飛び出したはいいが、ほどなく身の危険を感じた。
無理は禁物―水分補給と称して飲んだビールは格別の味だった。
今日は10月1日。衣替えを迎えた日本の秋を思い、手の甲にできたシミをさすりながら―勝手なものだ―背中を丸めて、テーラ・ダ・ガロアにまたうんざりし始めている。 (剛)