深刻な経済危機に見舞われているアルゼンチンで28日、現キルチネル政権に反対する三つの労働者組合の組合員らが、給与調整などを求める全国規模の24時間ストが起きた。公務員らの労組は、36時間ストとするために27日からストに突入。ストの影響は、ブエノスアイレスに通じる幹線道路の封鎖やブラジル行きを含めた航空便の欠航にも及んだ。
ストはここ4カ月で2度目。28日午後の時点で負傷者の報告はない。
ストを決行したのは鉄道の機関士、銀行員、港湾労働者、航空会社の職員、公共病院の職員、トラック運転手らだ。公務員の大半が所属する労働組合CTAの現政権反対派は、27日に36時間ストに入った。
スト主導者の一人でトラック運転手の組合員によれば、組合員の85%がストに参加したという。一方、政府関係者はこの日、国民の75%が仕事に出たとしている。
首都ブエノスアイレス市内や同市に続く幹線道路では、急進的な組合員らが真夜中からグループを成してピケをはるなどして、タクシーやストに参加しなかったバスなどの通行を妨害。警察隊と衝突した。
組合員らは、アルゼンチンがデフォルトに陥った事で国の将来への不安が高まっている中で、失業率が7・1%から7・5%に増えていることや年間インフレ率が30%を超え、市民の生活を直撃していることなどへの不満をあらわにしている。
今回のストの影響で、ブラジルでもTAM、LAN、Golその他の航空会社でグアルーリョス発着便やリオデジャネイロ発着便のキャンセルが相次いだ。(28日付G1サイト、アジェンシア・ブラジルより)