ニッケイ新聞 2009年9月29日付け
埼玉県にある大宮ロータリークラブとサッカーJリーグのチーム、大宮アルディージャから、使用済みサッカーボール30個がブラジルの子供達に贈られた。4月19日にボールを磨くイベントが開催され、埼玉県さいたま市の小学生らによって同チームが使用したボールが、プレゼント用に磨きあげられた。
きっかけは同チーム職員の黒田卓志さんが昨年、ロータリーの交換制度でブラジルのサッカークラブを訪れた際、子供達が一つのボールで練習しているのを見て、「これがサッカー王国か」と驚いたこと。
帰国後、ボールを贈ろうと大宮ロータリークラブに話を持ちかけたことから実現した。寄付を集め、ユニフォームやゼッケン、スパイクなども贈ることになった。
ブラジル側の引き受け先になったのはサンパウロ・ロータリークラブのフレゲジア・ド・オー支部。リベルダーデ・ロータリークラブ元会長の阿部義光さんが日本側とブラジル側とのコーディネーターを務めた。
伝達式は19日「Club Escola Freguesia do O」で開かれ、ロータリークラブのメンバー10人と子供達約30人が出席した。ブラジル国家斉唱の後、メンバーからボールが贈られた経緯の説明があり、日本側に謝意を表した。続いてボールやゼッケンなどが披露され、抽選でスパイクが2人の子供にプレゼントされた。また、ロータリー・クラブに尽力した人々に感謝状が渡され、閉会した。
会場の外では子供達にゼッケンやボールが手渡され、早速身に付ける人もいて、喜んだ様子で記念写真に収まった。
スパイクを贈られたガブリエルくん(10歳)は「ボールはみんなで使えるので、とても嬉しい」と答えた。「日本のことを知っているか?」と尋ねると、「マイゾウメノス」という答えが返ってきた。
イザベル・カブレラ会長は「この好意はとても大切なもので、子供にどれだけ役に立つか分からない」と謝意を表した。また、黒田さんを案内したというジェフェルソン・カルヴァーリョさんは「黒田は素晴らしい。心の友だ。協力関係は永久的なもの。この交流はは、両国にとって大きく貢献するだろう」と感想を語った。
阿部さんは「お互いに喜んでくれて、日伯の友好関係の絆が出来たことが嬉しい」と感想を述べた。