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車も飛ぶほどの大爆発!=1キロ半先の地面も揺れる=ABC地区の花火販売店で

ニッケイ新聞 2009年9月26日付け

 【一部既報】25日付け東西南北欄で触れたサンパウロ州サントアンドレーの花火販売店の爆発事故は、車やがれきも巻き上げるほどで、付近一帯に甚大な被害が出たと25日付け伯字紙が報じた。
 事故発生は24日12時半頃。アメリコ・グアゼリー街の花火や凧などを売る店で火災が起き、数回の爆発を誘発した。
 店とその奥の住居は跡形もなく、隣接家屋4軒も大破した現場一帯は、噴き上げられたがれきやほこりで真っ白となり、死者2人、負傷者12人、行方不明1人。同日夜の時点で2人が入院中だ。
 物的被害は家屋4軒の大破、損傷家屋10軒に車の被害も数台。その他の30軒にも退去命令が出、約100人が親戚などに身を寄せている。
 爆発で噴き上げられた車1台は近くの家の上に落ち、隣の自動車修理工は、修理中の車の下に潜り込んでいて落ちてきたがれきの直撃を免れた。
 現場から100メートルの所で降ってきたがれきの直撃で意識を失った男性もおり、店主家族の持ち物は200メートル先でも発見されている。
 アゴーラ紙によると、事故の原因はアンテナ修理。店主と友人が店の屋根に上り、アンテナを直そうとして足を滑らせ、アンテナが電線に接触。その直後、火災と爆発が始まったという。友人はアンテナと電線の接触で感電し弾き飛ばされたというが、爆発物所持で逮捕歴もある店主は事故直後に現場から逃走した。
 同店での花火販売は今年に入ってからは許可が延長されておらず、不法営業。その上、店の奥では花火や爆発物を密造していたらしく、エスタード紙には300キロの爆発物押収の記載もある。
 5キロ先まで爆音が響き、1キロ半先の地面も揺れたという爆発は相当量の爆発物によるはずだが、店主夫妻は行方をくらませており、詳細解明は25日の現場検証と本人達が出頭しての供述を待つしかない状態だ。
 花火類の違法製造所はサンパウロ市だけで180カ所以上というが、今回の事故は、花火類密造による事故を恐れる住民からの訴えが10年以上前に出されており、市当局の監査などで防げたはず。事故で死亡した、店の家政婦と店主の従兄弟の遺体は25日に埋葬された。