ニッケイ新聞 2009年9月25日付け
保健省の2008年度統計によると、1998年からの10年間で、10歳から19歳までの出産は30・6%減ったと23日付けエスタード紙などが報じた。
2008年9月3日付けエスタード紙が、15歳以下で性体験のある青少年や、複数の相手と性行為に及んだことがあるという青少年が増えていると報じたりした中では不思議とも思えるが、全国での10代の出産数は、98年の69万9720人に対し、08年は48万5640人となっている。
減少は全国的なもので、中西部36・7%、南部36・4%、南東部36・17%、北東部27・82%、北部12%の減少となっている。
ただ、例外がアマパー州。08年の同州での10代の出産数は、98年の2379人から3313人と、39・26%も増えた。
統計期間などは違うものの、15~19歳に対する合法的中絶件数も、1999年1月から2006年2月に38・2%減少した。
10代の出産数減少について保健省では、カーニバル前などの教育キャンペーンや、家族健康計画スタッフの努力の結果と評価。家族健康計画のスタッフは、2000年の7600人から、2万9700人に増え、カバーしている家庭も15・7%から49%に増えたという。
これらのキャンペーンや家族健康計画による青少年への教育内容は、若年妊娠や出産のリスク、避妊法、妊娠中の健康管理など幅広いが、公立高校に避妊具が無料で入手できる機械を設置といった方法はブラジル的だ。
エスタード紙やその他のサイトには、アマパー州で若年出産が増えている原因についての記述はないが、23日から24日のテレビニュースでは、14歳の母親の声なども報道。肉体的にも精神的にも未熟な中での妊娠出産には、未熟児誕生や早産、育児期のうつ病などの問題も起き易い。
出生率低下が言われる一方、幼さの残る少女が暴行され妊娠とか、生きていくために性を売り物にする青少年女子といった報道もある。地域全体での貧困対策や防犯体制作りも忘れてはならない側面だろう。