ニッケイ新聞 2009年9月25日付け
日伯議員連盟(麻生太郎会長)の代表として来伯している井上信治衆議院議員(自民党)は、トメアスーおよびベレンのアマゾン日本人移民80周年記念式典に参加の後、19日午前10時に、島内憲駐伯日本国全権大使、名井良三在ベレン日本国総領事に伴われアマゾニア日伯援護協会の厚生ホームを訪問し、慰霊碑参拝・献花、ホーム内を視察した。
島内大使にとっては2回目の訪問。8月に同ホームを訪問した後、当紙に掲載された「入居されている井上さんが大使にお会いできず、大変残念がっておられた」との記事を読み、次のような手紙を出していた。
「せっかくお待ちいただいたのにお会いすることができなかったのは大変残念なことです。9月に行われるアマゾン日本人移住80周年記念式典に出席するため、再びベレンに行く予定ですので、時間が許せば厚生ホームを訪れ、是非井上様にお会いしたいと思っています」
今回、島内大使はその約束を守り、待ち焦がれていた井上茂さん(98、香川)を喜ばせた。感激した井上さんは言葉少なに、大使、領事、議員と抱き合って感激に浸っていた。
当紙が取り持つ縁で、井上さんの願いがかなえられた。
「皆様を励ましに伺ったはずの私の方が逆に励まされました。アマゾンの大自然は人間に大変な活力をあたえるのでしょうか」。島内大使の井上さんへの手紙は、アマゾン日本人移民80周年記念祭の一つのエピソードとして同ホームに永遠に保存されるだろう。(下小薗昭仁パラー州通信員)