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中米に新たな展開=試されるブラジル外交戦略

ニッケイ新聞 2009年9月23日付け

 【既報関連】UnoAmerica(米州民主連合)は21日、ルーラ大統領を、ベネズエラのチャベス大統領と結託しセラヤ大統領のホンジュラス潜入を画策したとして告発したと22日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
 ルーラ大統領は仮面を脱いで正体を表わした、と同連合が糾弾。同大統領は、これまでの温和路線からチャベス路線に切り替え、隣接国への内政干渉を始めた。ラテン・アメリカで活動する200のNGO(非政府団体)は、セラヤの帰還をホンジュラス臨時政権への力の対決と見ている。
 米州民主連合は、ラテン・アメリカの安全保障問題会議に参加を望んでいるという。同連合は、同地域における麻薬組織やテロ組織に対する武力のあり方を検討していると強調した。
 ホンジュラス臨時政府は21日、セラヤ大統領の身柄拘束を公布し、全ての空港と国境検問所を閉鎖し、同国の出口を塞いだ。セラヤとルーラ、チャベスはどのようにつながっているのか。
 同臨時大統領は国営テレビで、「ブラジル政府へ告ぐ」とし、同国の法的秩序を守るため、セラヤ大統領を汚職や憲法の違法改正の刑事犯罪人として引き渡すよう通告。
 ホンジュラス臨時政権の外務省は、謀反と政治かく乱などの刑事犯罪逃亡者を匿ったとして、ブラジルを国際法違反の幇助者と非難。ブラジル大使館に対し、同政権は水道と電気、電話を切断と22日付けグローボ・サイトが報じた。
 伯外務省は、セラヤ大統領のブラジル大使館への人身保護要請は、本人の判断で行なわれたとする声明を発表した。ブラジルとしては、同人を正式大統領と見なしている。