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BNDES=中断工事再開を発表=危機克服で資金繰りに曙光

ニッケイ新聞 2009年9月22日付け

 社会開発銀行(BNDES)は二十日、金融危機のために中断していた二〇〇九年から二〇一二年の公共工事などへの投資一千億レアルの内、約半分は既に再開されたことを発表と二十一日付けフォーリャ紙が報じた。
 産業の歯車が回り始めたため、資金繰りの見通しも付いたようだ。BNDESは投資に関する市場調査から、二〇一〇年の国内経済成長率を五%以上と見込んでいる。危機から一年を経過した時点で、恐慌は長期にわたるものではないと結論を下した。
 金融危機による投資削減は二〇〇八年九月から始まり、今年第2四半期には、二〇〇三年以降最低の国内総生産(GDP)の一五・七%にまで落込んでいた。
 BNDESでは、これらの投資の動きを、危機直前の昨年八月と真最中の去年十二月、そして先の八月で比較。
 特に投資再開の火蓋を切ったのは、エネルギー分野と化学工業、基幹工業の三部門。エネルギー分野は、岩塩層下油田の原油がけん引することで活気ついた。それに、マデイラ川の水力発電所建設も動き始めた。
 化学工業は、リオとぺルナンブッコの石油化学コンビナートに、資本注入されたためだ。基幹工業では、三百五十億レアルの高速鉄道とサンパウロ州を中心とした国道管理入札が間近く、完成が急がれるからだとされる。
 輸出部門は、恐慌の影響で投資意欲の復活に至っていない。ヴァーレを中心とした鉱山企業では、二〇〇九年/二〇一二年向け投資計画は削減が続き、危機前の投資計画七百二十億レアルが、八月には四百六十億レアルまで減額している。