ニッケイ新聞 2009年9月17日付け
経済開発審議会(CDES)が十五日に開催した恐慌克服祝賀会で、財界人や労組、マスコミを前に、ルーラ大統領が「消費は美徳」だと宣言し、庶民はビールや肉、魚、靴、衣服を沢山購入し、産業を盛り上げることを奨励と十六日付けフォーリャ紙が報じた。
「金融危機という熱病は癒え、今は抗生物質ではなくビタミン剤を投与すべきだ」と大統領は訴えた。経営者は設備投資に精を出し、銀行はスプレッド(銀行間金融)金利を下げるよう要請。現在は、国を挙げて投資に熱中すべきときだという。
続いてメイレーレス中銀総裁が今年中に投資を始めないと、すぐに需要が追いかけてきて対応が間に合わない。そうすると、インフレが追いかけてくると警告。経営者は急遽、情勢の変化に対処する必要がある。
経営者は来月や来年だけを見るのではなく、もっと先を見て先行投資を行なう必要がある。ブラジルは折角、生産能力がありながら、フルに能力を発揮しなかったと総裁は見ている。
マンテガ財務相は、中央銀行への強制積立金から一千億レアルを引き出し、民間銀行のクレジットへ投入する意向を表明した。ブラジルは金融危機を克服とはいえ、金融コストの削減や税制改革、インフラ投資の促進など問題山積という。
政府は十二月、危機克服の記念事業とし全メディアを通じて「増資キャンペーン」を行ない、二〇一〇年を躍進の年にする計画という。キャンペーンは草案だが、工事現場のようなブラジルと泥まみれで働く労働者をイメージする。
ブラジルという国の心意気が、ポジティブであることを強調。標語は「ブラジルの実力に自信を持て」。オバマ米大統領やサルコジ仏大統領と共に、世界の指導者を目指すというもの。