ニッケイ新聞 2009年9月11日付け
サンパウロ州オウリーニョス市のトシオ・ミサト市長(PSDB)とベルキス・フェルナンデス副市長(PMDB)が二〇〇八年の前市長選挙において政治的・経済的権力を乱用したとして告訴され、サンパウロ州選挙裁判所は八月二十七日、二氏の罷免とそれぞれに五千UFIRS(関連参考単位、約五千レアル)の罰金を課す決定を下した。無罪を訴えるミサト市長は控訴し、再審を待つ状態だ。同市長は現在も職務を続けている。
発端は、同市官報上で期日までに税金を納入した人にくじで賞品が当たるという「IPTU(不動産税)で当てよう」キャンペーンを不適切な期間に実施したとされたことによる。ブラジル労働者党(PTB)など五政党による「フォルサ・デ・ポーボ」が告発した。
選挙裁はその行為が、選挙法(九千五百四号、第七十三条六項)に違反すると判断した。
本紙ポ語編集部の取材に対しミサト市長は、「キャンペーンは実施しないことに決定していたはずが、手違いで二日間にわたり公表されることになってしまった」と説明、「キャンペーンの掲載を承認したのは私ではない。私はやっていないことに責任を問われている」と訴える。
また、「そのキャンペーンがどうであれ、選挙の結果に影響を及ぼしたとは考えられない。キャンペーンは七月に発表され、選挙は十月に行われた」と弁明する。
同氏によれば、同キャンペーンは税金の納入を促すことを目的として市政発足当初から考えられてきた政策。選挙期間にだけ推進されたものではなかったという。