ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 機種選定=ルーラ大統領、突如仏機に=伯仏軍事協定始動か=サ大統領が先手を打つ=首都の空で青白赤の煙幕

機種選定=ルーラ大統領、突如仏機に=伯仏軍事協定始動か=サ大統領が先手を打つ=首都の空で青白赤の煙幕

ニッケイ新聞 2009年9月9日付け

 ルーラ大統領は七日、ブラジル空軍の機種選定で仏ダッソー社の戦闘機Rafale三十六機を購入する意向を、訪伯中のサルコジ大統領へ表明と八日付けエスタード紙が報じた。仏大統領がエンブラエルから軍用輸送機十数機を購入する意向を示したことで、大統領が仏機購入を決定した。機種選定には仏社の他、米国のボーイング社やスウェーデンのSaab社が競合していた。これに並行して伯仏軍事協定も詳細打ち合わせの段階に入り、ヘリコプター五十機や原潜を含む潜水艦五隻など合計で三百七十五億レアルの兵器を購入する模様。

 ブラジル政府は、岩塩層下油田の警護やアマゾン熱帯雨林の管理に装備強化を必要としていた。一年四カ月にわたった機種選定も、大統領決定で幕を引いた。ブラジル独立記念日の式典参加で急遽訪伯したサルコジ仏大統領の先手が、効を奏したといえそうだ。
 空軍の機種選定は、検討中であった。大統領の最終決定は七日午前二時であったので、細部打ち合わせで国防相も呼ばずに独断で決定した。同決定と同時に、制空権に関する伯仏軍事協定の戦略同盟も発効する。
 国防省が機種選定は十月末と発表していたが、大統領決定を以って七日に終わった。アモリン外相は、これから仏社との詳細交渉開始に入ることの決定がされたことと、他の競合二社との間には同種の決定はされてないことを明言した。
 優先的交渉であって、受注契約ではない。斉藤空軍総司令官の合意を得るため、機種選定で最終段階の詰めは残されている。軍事技術の導入に伴う外交的根回しや購入資金の調達、物々交換による値踏みなどがある。
 アングラ3原発には、フランスの核開発技術が起用されるようだ。それによって米独などの核開発協力は、不要になると仏大統領が明言した。飽くまで平和利用を建前として、フランスが核燃の抽出を指導する。
 伯仏両国は核開発を機に通商と投資の拡大を図ると、ラガルジ仏財務相が声明を発表。来る二十四年間に原子力発電所を二十五カ所建設する計画だという。伯仏間には、宇宙計画や再生可能な発展、高速鉄道、移民受け入れ計画などもある。
 仏機購入で北部と北東部に、最新装備の空軍基地二カ所が設置される。国防省は同機を艦載機にも兼用し、北東伯の大西洋岸と北部国境地帯を警護する考えのようだ。
 ブラジリアの空は七日、フランス空軍がブラジルの独立記念日を祝って、同国の国旗にちなんだ青白赤で彩った。