ニッケイ新聞 2009年9月9日付け
県人会独自で移民百周年を祝った沖縄県人会。国内外から三千人が参集した式典から一年が経ち、先日、記念事業として建設が進められてきた移民資料館が落成した。
同会では祝祭典に終わらず、写真集や記念史ポ語版の出版など、歴史を伝える事業も進める。中でも最大のものがこの資料館だろう。
笠戸丸移民の約四割を占めた沖縄県人。歯科医の金城山戸氏を始め、ブラジル社会進出の先駆者となった人物も多い。
「今集められるものを」と話す関係者。これから本格的に資料集めを行なうというが、一方で、世代が移るにつれ資料保管の意識が薄れていく現実もあり、苦労もあるようだ。
来年は第二回移民船「旅順丸」の渡伯から一世紀。県人移民百年を祝う所もあるだろう。それぞれの県人会レベルで歴史を残す気運が生まれてくればと思う。 (ま)