ニッケイ新聞 2009年9月4日付け
Conama(全国環境審議会)は二日、乗用車や乗客運搬車の排気ガスを、工場出荷の時点で現在より三三%減に規制と発表したことを三日付けフォーリャ紙が報じた。ピッカッペやS10、Rangerなどのディーゼル車は二〇一三年一月から、ガソリンやアルコール車は、二〇一四年一月から規制。
欧米などで実施中の基準から見ると、国内の排気ガス規制は、欧米先進国の後塵を拝している。
ブラジル車が空気中に排出する現行の一酸化炭素の排出基準は、一・七トン以下の車で走行距離一キロ当り二グラム。それ以上の車は同一キロ当り二・七グラム。欧米では二〇〇五年から、重量二・六トンまでは一グラムと制限している。
Conamaによる一酸化炭素の新排出基準は、一・七トン車までが三五%減の走行距離キロ当たり一・三グラムへ。二・七トンの重量車は、二六%減の同キロ当たり二グラムへ下げられた。
一酸化炭素は、血液中の酸素と結びつき易く、酸欠症状や頭痛などを引き起こす。排気ガスには酸化窒素なども含まれ、地球温暖化の元凶となっている。市中を走行する車の大部分を占める、中古車の排気ガス削減も検討課題だ。
Conamaでは、ディーゼル重量運搬車への排気ガス規制実現の遅れも懸念。硫黄分を減らしたディーゼル供給と、新基準のディーゼルに対応したエンジン開発の遅れで、今年からの実施が遅れているもの。この遅れは、ペトロブラスとトラック製造業者に十分な時間を与えなかったANP(原油庁)にも責任がある。
一方、専門家は、対策が遅れ、市街を走る車両数が大量に増えれば、折角の排気ガス規制も帳消しになると指摘。環境省によれば、過去一三年での二酸化炭素排出量は五六%も増えている。