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WTO=ブラジルに条件つき勝訴=米補助金への報復骨抜きに

ニッケイ新聞 2009年9月2日付け

 WTO(世界貿易機関)は九月一日、ブラジル政府が提訴していた米政府の綿生産者に対する補助金について、知的所有権で報復措置を認める条件つきの制裁を裁可と一日付けフォーリャ紙が報じた。
 米国の綿生産者への補助金提訴は二〇〇二年、行われた。WTOで勝訴を得られない場合、ブラジルが支払う製薬パテントで報復する考えであった。ところがWTOは、ブラジルが求めた報復額を遥かに下回る割合の報復を認めた一方、米政府の補助金によってブラジルの綿生産者が受けた損害が一定範囲を超えた場合、パテントなどによるクロス報復も認めた。
 このWTO裁決には政府も面食らったようだ。政府はパテントによる報復は最後の手段と考えていたのに、WTOが米国の補助金廃止までパテントやロイヤリティなどを通しての報復を認めたことで、報復適用の対象や方法などが今後の検討課題となる。

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