ニッケイ新聞 2009年9月1日付け
ブラジルに来て空手を始めた記者。言葉ができなくても日本語であいさつし、技の名を覚える生徒達にはいつも感心する。
世界中で約五千万人が帯を締め、柔道と並び最も普及した日本の武道、空手。元々は薩摩藩の禁武政策が取られた琉球王朝時代の沖縄で、護身術として発達したものだ。
先日沖縄県人会館で、二回目となる「沖縄空手道古武道演武会」が開かれた。迫力ある型の連続。演武者、来場者には非日系人も非常に多く、ブラジルでの裾野の広がりを感じさせた。
サインを求める子供達に囲まれていたのは、日本から特別参加した石橋満雄・重礼館道場館長。ブラジルの道場で練習熱心な生徒を見て、「日本の人の方が負けている」という印象を持ったという。
演目の「分解」(型の実用)が何を意味するかさえ知らなかった記者も石橋館長の言葉を痛感。会場の熱気に圧倒された一日だった。 (裕)