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世界に先駆けサンパウロ市で実現へ=広報施設「ジャパンハウス」=外務省担当者が説明会=「日系社会と二人三脚で」

 日本文化や政策の発信を目的とした広報施設「ジャパンハウス」について1日午前、在聖総領事館で会見が行なわれた。外務省から広報文化外交戦略課長の新居雄介氏が現地視察のため来伯し、サンパウロ市で展開する予定の「ジャパンハウス」の概要を説明した。

 先ごろ中南米訪問を終えた安倍晋三首相からフォローアップ(事後解説)の指示があり、当地で説明会を実施する運びとなった。広報拠点となる「ジャパンハウス」はサンパウロ市のほか、ロサンゼルス、ロンドン、ジャカルタ、香港、イスタンブールといった世界の主要6都市以上で開設予定という。全ジャパンハウスに携わる新居氏はその目的を、「政策の広報、戦後の歩みを紹介、現代文化や伝統文化の発信、親日家育成」とした。
 中身に関しては「国際交流基金がアニメや漫画などの文化、芸術分野、日本語文化を発信するのと同じように、さらに日本食や観光情報も発信する。親日家を増やすための総合的な情報発信ができる拠点となるよう、中身を充実させたい。交流の場としたい」と説明した。多種多様な広報を展開する考えで、「アンテナショップなどの形態も一つの候補設備」としている。
 この件に関する外務省の平成27(2015)年度予算案の概算要求は約500億円。最終決定は来年3月31日だが、6カ所の「ジャパンハウス」には、うち計約52億円を割り当て、さらに中身に関しては、コンテンツ整備費として別途計上される見込み。
 またコロニアとは「二人三脚でやって行きたい」という意向だ。「6都市の中でもロス、ロンドン、サンパウロ市は早急に話をまとめたい」とし、「日系社会の理解、協力は不可欠。意見を交え、どのような形態が望ましいか話し合っていく。日系諸団体のイベントへ、物資支援なども将来的には可能性ある」と話した。
 この滞在中はブラジルマスコミ関係者とも意見交換をした。「今後ブラジルが何を望むのか、どんな発信を期待するかも調整していく」と中身はまだ流動的だ。
 設置場所も検討中。人通りの多く、市民が集える場所を希望しているが、賃貸か購入か、広さなども目的や予算次第だ。物件を探してから契約、内装、防犯整備など、開所まで通常2年を見込むというが、「ぜひとも来年の外交樹立120周年に間に合わせたい」と意欲を見せた。
 28日に着伯した同氏は、日系諸団体と意見交換や、サルバドールの日本祭りを視察し、会見当日の夕刻に離伯した。