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工業界への外国投資減少=重税などの障壁と不安反映

 国際的な競争力が低下している工業界で、上半期の外国投資が昨年同期比で8%ポイント減の25・09%に減少したと8月31日付エスタード紙が報じた。
 上半期の外国投資は80億130万ドルで、2008年の77億3300万ドル以来の少額だった。外国投資の減少は、ブラジルの経済活動の減速化がここ数カ月強まった事や、工業界の今後に対する展望に確信が持てない事などを反映している。
 経済活動の減速化に拍車がかかった事は、8月29日に発表された第2四半期の国内総生産(GDP)が第1四半期に続いて前期比減となり、リセッション(景気後退)に陥ったという報道でも裏づけされた。第2四半期のGDPの落ち込みは0・6%だったが、工業界のGDPは前期比で1・5%落ち込んだ。
 元財務省関係者は「08年の国際的な金融危機勃発以降、1年たりとも平穏な年はなかった」と漏らすが、ブラジル工業界の競争力の低下には重税やインフラ整備の遅れ、レアル高などの影響が大きい。現在の工業生産額は08年12月より5%減り、国際的な金融危機以前の水準以下だ。
 工業界の衰退はGDPに対する比率にも表れ、第2四半期のGDP比率は10・7%まで後退。80年代の27%には遠く及ばないが、昨年同期の工業生産はGDPの11・4%を占めていた。