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8月30日に開業した聖市の地下鉄15号線(Guilherme Lara Campos/ A2 Fotografia)
8月30日に開業した聖市の地下鉄15号線(Guilherme Lara Campos/ A2 Fotografia)

サンパウロ市でモノレール開業=東部の地下鉄15号線で=利用者は世界最大規模に

 サンパウロ市東部の地下鉄15号線(銀)で、ブラジル初のモノレールが開業となったと8月29、30日付伯字紙が報じた。
 当初の開業予定より8カ月遅れて開業となったのは、地下鉄15号線のヴィラ・プルデンテ駅~オラトリオ駅間(2・9キロ)で、8月30日から2カ月間は、土・日の午前10時~午後3時の間、無料で運行する。
 地上12~15メートルの高さを走るモノレールは、1回1千人を運ぶ事が可能だ。14/15年はオラトリオ~サンマテウス間の8駅10・1キロ、16/17年にはイピランガ~ヴィラ・プルデンテ間の2・2キロとサンマテウス~シダーデ・チラデンテス間の11・5キロも完成する予定で、全線開通となった暁には、18駅26・7キロで1日50万人を運ぶようになる見込みだ。
 開業前日の8月29日に試乗したフォーリャ紙記者や30日に乗った乗客らは、時速44キロで4分弱、ルイス・イナシオ・デ・アニャイア・メロ大通りを眼下に眺める旅は快適だが、工事が遅れた、振動が割りとある、座席数が通常の地下鉄より少ないといった不満を漏らした。
 地下鉄公社によると、無料乗車期間中は営業運転するまでに微調整すべき箇所の最終調整を兼ねており、15号線での成功が18年までに完成予定のモノレール3路線の成功に繋がるという。
 現在建設中のモノレール路線は15号線と地下鉄17号線(金、モルンビー~ジャバクアラ間で15年開通予定)で、契約が終ったばかりの地下鉄18号線(銅、タマンドゥアテイ~ABC間)は18年開通の予定だ。
 地下鉄15号線最終駅のシダーデ・チラデンテス周辺は人口が多い事でも知られており、現在既に超満員となっている地下鉄3号線(赤)を緩和するための路線として期待されている。
 30日に開業となった地下鉄15号線の利用者は4万8千人/時と見込まれており、現行路線で利用者数が最高の中国重慶市のモノレール(3万人/時)を上回る、世界一のモノレールとなる。カナダのボンバルディエル社はサンパウロ市地下鉄を含む南米市場を見越し、車両製造拠点をサンパウロ州オルトランジアに移す方針だ。
 モノレールはトンネルや駅建設用の穴を掘る必要がなく、接収すべき土地も地下鉄より狭いために、建設に要する時間や経費が少ないという利点がある。だがその一方、地上の景観を損なうという声がある他、故障が起きた時の脱出経路やレールを挟んでいるタイヤの耐久性などに対する疑問も残っているようだ。