ニッケイ新聞 2009年8月25日付け
二十三日付フォーリャ紙が、〇六年に自治体間格差が縮小とのリオ州工業連盟(Firjan)の調査結果を報じた。
自治体や地域、人種や社会階層などによる格差が大きいブラジルだが、調査では、国内総生産が四%以上成長し、最低給与一三%調整、正規雇用一二〇万人増を記録した〇六年は、市毎の開発指数(IFDM)も〇五年より三・四七%改善し、格差が縮小したという。
最低給与調整の影響は小さな市ほど大きく、雇用と所得の伸びが開発度の低い自治体減少(三・六%から二・一%)を生んだ一方、〇~一で評価するIFDM〇・八以上の市は南、南東伯に集中。特に上位二七市はサンパウロ州に集中など、地域格差は依然として大きい。
雇用や所得、医療、教育などを評価して算出するIFDM上位一〇〇市中七九市は人口三〇万人以下で、州都の改善率は全国平均より低い二・一%。それでも、〇五年からのクリチバとヴィトリアに加え、サンパウロ市とベロ・オリゾンテが上位一〇〇選入り。州開発指数〇・八超は、パラナとサンパウロ州にリオ州が加わった。
一方、雇用や所得改善に加え、医療面改善が目立つのが北東伯。全国平均の一・六%に対し、最低二%の改善を見た。
ただ、改善率は高くとも、医療開発度そのものは、セルジッピの〇・七六九九が全国平均〇・七三一九を上回ったものの、マラニョンは〇・六二五など、まだ低い。
北東伯の医療開発度改善には、新生児死亡率減少なども影響するが、一部専門家は原因の一つに生活扶助を指摘。生活扶助の経済効果で、栄養失調減少などが考えられるためで、妊婦の診療や指導拡大の効果はまだ改善の余地があるという。
雇用と所得指数一・〇のオルトランジアや教育指数一・〇のドウシノポリス、IFDM〇・九五二四のサンカエタノなどが集中するサンパウロ州に対し、IFDMが〇・二九二八のサンタルジアでは人口も減少。IFDM下位一〇市は、バイア、ロライマ、ピアウイ、パラーなど北、北東伯に集中している。農地占拠運動のメンバーが警官と衝突して死傷したりする一方、私財を投じ僻地巡回医療を行う医師夫婦など、格差を乗り越えるための種々の戦いも続いている。