ニッケイ新聞 2009年8月22日付け
「貴重なアマゾン移民の証言を文協で」―。今年アマゾン入植八十周年を迎えるにあたり、映像制作会社「アステル・ド・ブラジル」(篠崎勝利代表)が制作した証言映像集『アマゾンに挑んだ草創の日本人~第一回移民乗船者の証言~』(八十五分)が九月二日午後一時から、文協大講堂である水曜シネマで上映される。会員・非会員に関わらず入場無料。なお、同社が昨年、百周年企画として制作した『子供たちの百年 ブラジルに渡った少年少女たちは、今!』(五十三分)も併せて上映される。篠崎代表は、「両作品ともブラジルでは未公開。より多くのコロニアの人に見て頂きたい」と来場を呼びかけている。
『アマゾンに挑んだ草創の日本人~第一回移民乗船者の証言~』は、第一回トメアスー移民五人、ヴィラ・アマゾニアに入植した日本高等拓植学校卒業生(高拓生)関係者らに取材したもの。
今月十一日からJICA横浜の海外移住資料館で開催されている企画展「アマゾンに渡った日本人」(http://www.jomm.jp/events/2009/amazon.html)で公開中だが、ブラジルでの上映は初。
制作に六カ月をかけた篠崎さんは「アマゾン移民の英知とエネルギーを感じて欲しい」と話す。
この作品は、十月に東京、大阪で開催される『ブラジル国際映画祭』(http://www.cinemabrasil.info/fcb2009/jpn/program.html)のドキュメンタリー部門に選ばれている。
続いて上映される『子供たちの百年 ブラジルに渡った少年少女たちは、今!』は、一九三一年からの五年間、ブラジルに移住した当時八歳から十四歳までの子供たちを追ったドキュメンタリー作品だ。
神戸の移民収容所で書いた作文集をもとに、ブラジル各地で健在の十人を取材。約八十年前に書いた作文の記憶を辿りながら、それぞれが移住後の人生を語る貴重な映像となっている。
上映に関する問合せは文協(11・3208・1755)まで。