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東西南北

ニッケイ新聞 2009年8月14日付け

 解熱、鎮痛剤として使われるアスピリンに、血栓溶解機能もあることは知られていたが、十三日付フォーリャ紙に、アスピリンを血栓溶解剤として継続的に飲んでいた大腸がん患者は、致死率が低いという報告。ブラジル女性では三番目、男性では四番目に多いといわれる大腸がんだが、米国での調査では、アスピリン常用の大腸ガン患者の致死率は三〇%も低かったという。延命作用の詳細は今後の調査待ちだが、アスピリン常用者は手術などの際に血が止まりにくい、難聴が起きる可能性があるなどの問題も。医師の判断の下での服用という原則は忘れずに。
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 以前から疑惑が投じられていたユニバーサル教会の資金洗浄問題が、新聞やテレビを賑わせている。テレビやラジオのレコルデ局他、英国やカリブのケイマン諸島にある会社まで関係するといわれる資金の流れ解明のため、他国の協力も仰ぎたいという検察当局は、創設者のエディール・マセド氏夫妻など、複数の人物を告発。強引な献金徴収などで告発された事もある同教会は、今回の告発も教会や創立者達に対する迫害だとしている。
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 新型インフルエンザが先住民保護区にも広がり始めたとは聞いていたが、サンパウロ州サンヴィセンテの保護区で発症し七日に死亡した三カ月の赤ちゃんも新型インフルに感染していたとの十三日の発表にショック。栄養失調状態だったともいう報道に先立つ十二日には、サンパウロ州の死者は一一一人と報告されたばかり。その他は、パラナ五八人、南大河五五人、リオ三七人などとなっており、十二日現在で計二七五人。死者数だけ見れば、米国、アルゼンチンに次ぐ三位になったが、人口一〇万人当たりでは〇・〇九人で一四番目と保健省。