ニッケイ新聞 2009年8月14日付け
今年アマゾン入植八〇周年を迎えるにあたり、映像制作会社「アステル・ド・ブラジル」(篠崎勝利代表)は証言映像集『アマゾンに挑んだ草創の日本人~第一回移民乗船者の証言~』(八十五分、日本語版)をこのほど制作した。第一回トメアスー移民五人、ヴィラ・アマゾニアに入植した日本高等拓植学校卒業生(高拓生)の関係者らに取材したもので、国際協力機構(JICA)横浜国際センターの企画。
篠崎さんは日大芸術学部映画学科卒業。TBS入社後、七五年に海外移住事業団(現JICA)サンパウロ支所との契約でブラジル移住広報番組を多く手掛けてきた。
九一年からインドネシア、ケニア、チュニジア、ドミニカなどで約九年間、JICA視覚映像技術専門家として赴任、〇〇年からアステル・ド・ブラジル代表。
制作に六カ月、八万レアルを費やした。篠崎さんは、「アマゾン先駆者の英知とエネルギーを見直すいい機会」と今年の八〇年を位置づけ、「おそらく一世が関わる最後の周年行事の企画に関われたことは大きな喜び」と話す。
一九二九年九月、アマゾンに最初の一歩を記したトメアスー第一回移民の五人のほか、アマゾン中流域でジュート栽培に貢献した高拓生関係者らの証言も収めた。
今月十一日からJICA横浜の海外移住資料館で開催されている企画展「アマゾンに渡った日本人」(http://www.jomm.jp/events/2009/amazon.html)で公開中。
なお、十月に東京、大阪で開催される『ブラジル国際映画祭』(http://www.cinemabrasil.info/fcb2009/jpn/program.html)のドキュメンタリー部門に選ばれており、日本側でアマゾン移住の理解が深まるいい機会となりそうだ。
「コロニアの方にも見てもらう機会を作りたい」と篠崎さんは、現在発表の場を検討中だ。