ニッケイ新聞 2009年8月11日付け
マリーナ・ダ・シルバ上議(PT=労働者党)がPV(緑の党)から大統領選に出馬するように招かれたことで、与党PTの票を割ることになりそうで、政界に一抹の冷水を浴びせたと十日付けオ・グローボ・オンラインが報じた。
同上議は法令アマゾンの環境保護と持続可能な発展を旗印に、中流層の幅広い支持を得ている。もし大統領選に立候補するなら、清楚なイメージと確固とした人格でロウセフ候補の票田に食い込むばかりでなく、女性票をも奪うと見られる。
若き日に左翼運動に身を投じたことは、ロウセフ候補と類似。経歴は、国際的にも定評がある。ベルゾイニPT党主は、同上議がロウセフ候補と同じコースを互角に競うとして、立候補を極力避けたいと考えている。
PVの調査によれば、セーラやロウセフ、ゴーメス、エレーナと競ってもマリーナ一〇%は堅いという。セーラやロウセフの不満組から支持を受けているらしい。調査結果は、PV党員の予想を越えた感触を得た。
ロウセフ票二〇%に対し、マリーナ一〇%。ロウセフのように「PACの母」という看板を持たないのに、評判は悪くない。出馬となれば、同上議は八月末までに党籍移動。その間に同上議は、地元アクレ州でPT議員らと根回しを行う。
環境政策でPTと相容れないことは、環境相辞任で明白となった。PTでは、環境が過少評価されていることを不満としていた。しかし、PT在籍三十年という経歴を、どうするか。将来に向けて知名度を高めるための立候補なのか。