レストランの衛生管理は?=サンパウロ市のショッピングで検査=7割は大腸菌検出で失格
ニッケイ新聞 2009年8月7日付け
パン屋やピッツァリアの衛生管理に問題があったとの報道は過去にもあったが、サンパウロ市のショッピングセンター内のレストランでも大腸菌が検出されたと六日付エスタード紙が報じた。
ブラジル消費者保護協会(ProTeste)がサンパウロ市内五カ所のショッピングセンターで行った検査によるもので、ポルキロのレストラン三〇カ所の内、七割にあたる二一カ所で大腸菌が検出され、衛生管理に問題ありと報じられている。
検査方法は、お皿とお盆、タリェーレス(ナイフやフォーク)の三項目で大腸菌の有無を調べるというもので、最も結果が良かったのは、ショッピング・アリカンドゥーヴァのミスター・アラベと、ショッピング・イビラプエラのテクサノ・グリル。三項目すべてで最良と評価された。
項目毎の評価は、最良、良、可、不可の四段階で行われ、二か所以外にも、不可はゼロというレストランが七カ所あった一方、不可が一つでもあるレストランが二一カ所あった事になる。
特にひどかったショッピング・メトロ・タツアペのミスター・シェイクは、全項目が不可。このレストランは、もう営業していないが、不可が二つあったレストランも六カ所あった。
大腸菌は海水浴場の水質評価などにも使われるが、敏感な体質の人が汚染された物を食べれば、下痢などを起こす可能性がある。食器やお盆、ナイフなどが汚染されている店では、提供する食べ物も、大腸菌で汚染されている可能性が強い。
ProTesteでは、検査したサンプルから大腸菌が検出された店では、従業員がトイレに行った時に手を洗わないまま職場に戻った、レストランで使っている水そのものが大腸菌で汚染されているの二つの原因が考えられるとし、食材を生で食べるメニューが最も心配だという。
最良の評価を受けたレストランの一つは、食器は機械で洗い、調理場はアルコールで消毒、ナイフやフォークは個別の袋に入れる、などの指導を徹底。衛生管理は最低義務と自覚している。一方、失格とされた店は、自分達の店でも衛生管理には留意しており、結果は意外としつつ、現場の再点検を約束している。