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安保担当官ジョーンズ将軍=米コ同盟への批判受ける=ブラジルは断固拒絶の意向=対米関係に亀裂の懸念も=合意は事前情報より大型

ニッケイ新聞 2009年8月6日付け

 コロンビアのウリベ大統領訪伯に先立ち、ホワイト・ハウス国家安全保障問題担当補佐官のジム・ジョーンズ将軍が、四日にプラナウト宮を訪れたと五日付けエスタード紙が報じた。同将軍には、コロンビアでの米軍基地問題は「冷戦の再開のようだ」とするブラジル政府の見解も明らかにされ、ブラジル政府は、オバマ政権とより親密な関係を築きたいとするルーラ大統領の期待にヒビを入れかねない、南米での新たな軍事同盟の構築を拒絶する意向を表明した。政府の考えとしては、南米諸国の反応を見ながらコロンビア政府に同構想阻止を訴え、ウリベ大統領に基地建設を断念するよう勧めるようだ。

 米コロンビア軍事同盟は締結に至ってはいないが、空軍基地三カ所と陸軍基地二カ所、海軍基地二カ所をも含め、合計で七カ所の要塞建設合意であることが判明した。
 これは、四日にコロンビアのカルタヘナ・デ・インジアスで開催された中南米九カ国代表による安全保障会議の席上で明らかにされたもの。同会議には南大西洋軍のダグラス・フレイザー総司令官も出席。ブラジルは欠席した。
 同会議は、ブラジルを始めとするウナスール(南米同盟)の反応を見るためであったようだ。ベネズエラとエクアドルは、米軍による無言の威圧として直ちに反応。ブラジルやチリは、地域問題を引起こすとして、十日に開催されるウナスール会議の議題とした。
 フレイザー総司令官によれば、米コロンビアの軍事協力は以前から行われており、今回の同盟は、従来の活動の継続との見解を表明。しかし、どんな軍事設備と戦闘機種が持ち込まれるかは明かさなかった。
 ウリベ大統領は、現在、米コ軍事同盟について理解を求めるため、南米諸国を訪問中だが、同国内の基地には最新式の機器も設置され、南米各地の動きは一挙手一投足に至るまで、米軍の手中にあるとされる。
 一方、ジョーンズ将軍と会談したガルシア大統領顧問は、「ブッシュ前政権で築かれた伯米関係は、オバマ政権でより強固なものになると考えており、両国の関係を脅かすような事態が起きることがないよう願っている」と申し入れた。
 アマゾン国境付近の米軍基地の大砲は、どっち向きに据えるのか。脳天にピストルを突きつけ、国家主権といっても画餅だとした同顧問は、「ブラジルはコロンビアの米軍基地について、人権擁護とか麻薬対策などの子供騙しでなく、本当の目的を知りたい。蛇にかまれた犬は、ソーセージをも恐れる」と訴えた。
 同顧問は、ウナスール会議欠席を通知済みのウリベ大統領についても、ルーラ大統領がどうしても出席するよう求める意向だとも明らかにした。