ニッケイ新聞 2009年8月4日付け
ABRAC(ブラジル歌謡協会、西森明美会長)が主催する「第二十四回ブラジル選抜歌謡大会」(志村豊弘大会実行委員長)が七月二十四日から二十六日まで、リベルダーデの文協大講堂で開催された。全伯二十四支部の予選を勝ち抜いてきた七百九十五人が、ドレスやスーツ、着物に身を包み自慢ののどを披露。揃いの衣装を着た各支部の応援団も旗を振ったり声援を送ったりと、会場を盛り上げた。審査の結果グランプリに輝いたのは、ノロエステ・パラナ支部の西村シンチアさん(マリンガ市)。一九九五年以来、二回目の栄冠を手にした。大会には三日間で約一万人の観客が来場し、歌手と共にレベルの高い歌唱を楽しんでいた。
二日目の午前十一時半から行われた開会式は、色鮮やかな着物を着た各支部の女性が支部旗を持って入場し、華やかに開幕。日伯両国歌斉唱の後、長年同協会に尽力した先駆功労者を称え、一分間の黙祷を行った。続いて昨年優勝した東サンパウロ支部代表ナカジマ・ケンジさんが、久保パウロABRAC副会長へ優勝旗と優勝杯を返還した。
式には飯星ワルテル連邦下議、西森ルイス弘志パラナ州議、羽藤ジョージサンパウロ市議、レアル銀行の中川マルシア部長、日系団体代表など多数の来賓が出席。西森州議は、「楽しく歌えば美男、美女になります。日本の歌、文化を楽しんで」と述べた。
大会は、ベテランや青年、童謡、チビッコ、成年、POPなどのカテゴリで争われた。子供たちもチビッコの部で奮闘。表現豊かな演技と歌唱力で、大人顔負けの歌唱を披露した。
チビッコの部で、「すみれ色の涙」を歌ったマリンガ市の影ダニエレちゃん(10、四世)の応援団は、クリチバ市からも祖母、おじなどが駆けつけ、総勢八人。マリンガ文協で週に二回、自宅でもビデオなどで練習する。両親は「練習に連れていくのが遠くて大変」と語るが、その甲斐あって四位に入賞。ダニエレちゃんは「上手に歌えるよう頑張った」と感想を語った。
審査総合委員長はブラジル大衆音楽協会の蛯原忠男会長が務めた。最終日に各カテゴリの優勝者で決勝戦を実施。西村さんがグランプリを勝ち取ったほか、最優秀歌唱賞に掃部関(かもんぜき)弘さん(スドエステ・サンパウロ)が選ばれた。団体戦は東サンパウロが優勝を飾った。
大会を終えた西森会長はニッケイ新聞の取材に対し、「審査員や司会の技術も上がり、歌手のレベルも上がっています。皆さんのおかげで、過去最多の出場者で開催することができ、感謝しています」と喜びを表わした。
大会結果は次の通り。(敬称略、部門、所属協会)