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サルネイ上院議長、辞任か=野党包囲、苦渋の決断=政治家人生の誇りを優先=大統領はCPIの行方懸念

ニッケイ新聞 2009年7月30日付け

 大統領府は、サルネイ上院議長が自分自身の政治家生命は上院議長辞任にかかっていると考えているとの情報を入手と二十九日付けエスタード紙が報じた。ルーラ大統領は、同議長が辞任すればペトロブラスCPI(議会調査委員会)は野党の思うツボにはまることになりそうだと懸念している。また「有能な政治家が紛争の中で神経をすり減らし、生命を削るのは遺憾である」と述べた。連警が継続して捜査中の、同議長の子息フェルナンド容疑者が絡んだ犯罪組織の問題なども、不利な結果を招きそうだ。

 サルネイ上院議長は、政治家人生の総決算を締めるに至ったようだ。親族知人などの違法採用やペトロブラスの文化活動賛助金を投資へ流用するなどで釈明が迫られていた。同議長は自分の名が汚されないため、疚しいことは一切ないと説明するはずであった。
 二〇一〇年の大統領選挙を照準に上院議長の去就を心配していた、ルーラ大統領とロウセフ官房長官は、心痛している。野党が上院議長を弾劾するために用意した倫理審議上程案は、波状攻撃であり出口を塞いで袋叩きにする可能性もある。
 それに耐え得るか、PMDB(民主運動党)とPT(労働者党)の合意成立前に議員権剥奪となるのを避けるために辞任するかは苦渋の決断。辞任となれば、上院が野党優勢の戦場になるという、政府には最悪の事態を覚悟せねばなるまい。
 サルネイ上議も、レナン・カリェイロ上議の轍を踏みそうだ。二十八日には、PTのメルカダンテ上議やモンテイロ憲政相らが、サルネイ休職要請問題で政府と党との間に生じかけた亀裂を最低限に収めようと画策したというが、同上議の要請案は、日ならずして現実の様相を見せた。
 ルーラ大統領は二十八日、与党上議らに「上院が一連の不祥事で神経をすり減らし、消耗した状態でいるのを傍観していることは許されない。神経すり減らしは、体に悪いし議会の停滞でもある」と叱咤した。これで国会の休会明けには、上院の混乱に、終止符が打たれる見通しがついた。
 大統領は、「上院は成熟した政治機関であり、自らの問題を解決する力を持っているはずなのに、些細なことを新聞で誇張されるたびに振り回され、議会を消耗させている」と発言。上院議長や前事務局長が絡んだ不祥事の処理がいつまでも長引くのは、各上院議員ばかりでなく議会全体のリスクだという。
 また、これからのPTとPMDBの連立関係は、州知事レベルでも再構築され、強化されると宣言した。