ニッケイ新聞 2009年7月30日付け
ブラジルYOSAKOIソーラン協会(浜崎マルセリーノ会長)主催の「第七回YOSAKOIソーラン・フェスティバル」が二十六日、サンパウロ市のビア・フンシャル(Via Funchal)で開催された。ジュニア、アダルト部門あわせて十九チームが出場。のべ六千人の来場者を前に華やかな群舞で舞台を彩り、ロンドリーナのグルッポ・サンセイが四度目のグランプリを勝ち取った。
開会式には飯星ワルテル連邦下院議員、神谷牛太郎サンパウロ市議、美容チェーンSOHOオーナーの飯島秀昭氏(YOSAKOIソーラン協会名誉会長)も来賓として出席。開会式と途中の休憩時間にはアチバイアの川筋清流太鼓やSOHOの太鼓氣連が演奏を行った。
JICAシニアボランティアとして二年間、ブラジル各地で指導に当たってきた嶌原まさ子講師がダンスを指導し、会場の全員が立ち上がって踊るなど盛り上がる場面もあった。
フェスティバル開始前には嶌原講師から、鳴子の音やポーズが重要となるなど、日本の審査方法が審査員に説明された。
七回目となる今回は、アダルトの部に十三チーム、ジュニアの部に六チームが出場。正午および午後五時からの二回、各チーム五分の持ち時間の中で演技を競った。サンパウロ市・州内はじめパラナ州クリチーバ、ロンドリーナ、南マット・グロッソ州カンポ・グランデ、アマゾナス州マナウスなどからも参加した。
見事グランプリに輝いたグルッポ・サンセイは、特別出演だった昨年大会をはさんで四回連続の栄冠。「七夕」をテーマにした今回は、織姫、彦星、星をイメージした衣装に身を包み、織姫と彦星が一年に一度だけ会える場面から「夢が叶う日」を演出した。
「本当に幸せです」と感激の表情を見せるコーディネーターの樫木アリーニさん。グランプリ獲得の決め手は、との問いに「演技の中にアレグリアがあったからじゃないか」と即答する。
アダルトの部で一位になった平成なるこ会(サンパウロ市)は、演技の途中での衣装替えや、巨大な横断幕が登場するなど凝った演出で会場を沸かせた。
「冬休みは毎日練習しました」と話していたのは、「飛鳥」(ブラガンサ・パウリスタ)の植西晶子さんとリーダーの山下バルレッタ・ファビオさん(17)。二度目の出場で特別賞を獲得した。
バストス婦人会は、白地に赤と紫を基調にした着物に編み笠を被って登場。優雅な身のこなしで独自のYOSAKOIソーランを演出した。
実行委員長を務めた浜崎会長は、「各チームともレベルアップしている。どのチームが勝ってもおかしくない争いになった」とその出来栄えに顔をほころばす。
出場グループの約七割の指導にあたった嶌原講師は、同フェスティバルのために特別に任期を延長した。「全体のレベルが高くなってきた。日本でも十分に通用します」と話す。
「フェスティバルに参加できて本当に幸せです。思い残すことは何もない」と笑顔をみせ、「これからも踊り続けて下さい」と生徒らにメッセージを送った。嶌原講師は三十一日に帰国する。
入賞チームは以下の通り。
【グランプリ】グルッポ・サンセイ、
【アダルトの部】一位=平成なるこ会、二位=風河火山(マナウス)、三位=青春(カンポ・グランデ)、
【ジュニアの部】一位=平成なるこキッズ(サンパウロ市)、二位=ビリチバ・ミリン日本語学校(ビリチバ・ミリン)、三位=AMEキッズ(レジストロ)、特別賞=飛鳥。